16人の鬼を連れた少女

↓かけっこ ページ7

三人の後を追って私も走る。

嗅覚から分かるが現在の順番はペ神、ゾム、兄さんの順らしい。やっぱりゾムは早い。ペ神の血鬼術がありながらも兄さんの上を行くんだから。

私も思いっきり走る。すると前方に兄さんが見えてきた。

兄「おぉ、もう来たんか。早いな。」


兄さんがにやりと笑う。その姿は普通と違う。モフモフとした耳に尻尾が生えている一匹の狼だ。間違いなく兄さんの血鬼術だ。

『兄さんのんびりだな？理由があるんでしょ?』

兄「んふふ、分かっとったかぁ。手組まへん？俺の背に乗ってお前が嗅覚と視力でペ神の血鬼術を避けるんや!!」

『良いじゃん!乗った!』

そう言って兄さんの背に乗る。捕まってろ!と叫ぶと思いっきりスピードが上がる。すぐ様前にゾムが見えた。

ゾ「は？！何それずるないか？！」

『共同作戦!!んふふ!!先貰うよ!!』

ゾ「チッ!」

ゾムの舌打ちが聞こえた瞬間に嫌な匂いが下から匂う。すぐ様兄さんに言う。

『避けて、下!』

兄さんが避けた瞬間に爆発する。

兄「あっぶな！」

『まだ来る!!前』

兄さんが避ければすぐに爆発する。

ゾ「ああー!!引っ掛からん!!」

『まだまだ!!次は右、前、左、後ろ‼‼』

兄「了解!!」

兄さんが言った通りに避ける。すると理解したのかゾムは私の頭上目掛けて爆発させていく。煩い、確実に聴覚が鋭い私の弱点を良く分かってきている。

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