その十三匹 ページ28
？「寒い、お腹空いた‥暗い‥此処は何処や」
それは、冬の事だった。俺はダンボール箱の中で死にかけていた。
俺の体は前の飼い主‥いや、飼い主とは言え無い人間からつけられた怪我で溢れていた。運良く逃げ出してきた俺はこのダンボールの中で数日を過ごしていた。
寒くて暗くて夜中になれば何も見えない中で排気ガスの匂いと嫌な声が頭上で響いた。
？「あぁ、ちょうど良いダンボールがあったわ。ん？チワワかよ。おら、お前も仲間入りだ」
？「‥‥‥‥。」
ドサリとそいつはダンボール箱の中に捨てられた。暫くして排気ガスの匂いも消えて二匹だけになった。暗くて良く分からなかったがそいつは明らかに怪我だらけで弱っていた。
？「……お前、誰や？」
？「お前こそ誰やねん‥てか、寒いなぁ。」
？「‥せやな‥。」
？「あ!でもこうやってくっつけば寒く無いな」
？「本当や、プロか?」
二匹で温まって寝ていた時だった。
？「おい、お前ら。こんな所でどうしたんや」
俺等に話しかけてきたのは狐だった。赤茶色の綺麗な毛皮をした狐。
？「なんやお前…!」
？「‥お前ら怪我してんか。待ってろ、A呼んでくるわ。」
俺等の怪我を目にするとチラリと目を開き走ってしまった。
暫くしてトコトコと足音が聞こえる。
『どうしたの、マンちゃん』
？「ええからこっちや！」
角から現れたのは優しそうな女の子だった。
『‥‥!』
女の子は俺達の事を見ると目を開いた。
そして、こう言って抱きしめてくれたのだ。
『‥‥大丈夫、怖くないよ。』
その匂いも、声もすべてが俺達を落ち着かせる。彼女が俺達の大好きな大切な主人となったその瞬間から、俺達の世界が変わった。
美味しい食べ物を知った。
世界が実は広いと知った。
喧嘩する事を知った。
撫でてもらう事を知った。
人間が怖くないと知った。
なぁ、俺達はお前の世界を変えたいんや。大好きなお前をあの時の様に抱きしめてやりたい。
コネ「それは、駄目なんか…？A」
シャオ「俺達はお前を抱きしめてやれないんか、A‥」
なぁ、教えてくれや‥良い子にしとるから
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ここのつちゃん(プロフ) - 面白いなと思ったら知っている作者さんでした！！投稿頑張ってください！応援してます！ (2021年10月16日 14時) (
レス) @page38 id: c790a783a7 (このIDを非表示/違反報告)
さとう - 好き()更新頑張ってください! (2021年5月30日 7時) (レス) id: ecd79149f7 (このIDを非表示/違反報告)
きな粉 - 復帰おめでとうございます!!これからも頑張ってください！ (2021年3月31日 14時) (レス) id: c5ac09218a (このIDを非表示/違反報告)
きな粉 - 面白いです！更新頑張って下さいね (2021年1月11日 13時) (レス) id: c5ac09218a (このIDを非表示/違反報告)
欄 - 評価を５５６にしてしてしまった、、がんばえーーー！ (2021年1月1日 22時) (レス) id: 97c794166e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鏡
| 作成日時：2019年8月17日 16時
