土下座青年 ページ7
計画書を提出してから数日後、Aはひとらんの軍事用畑に出かけていた。変わらず、知識を教えるためだ。あちらこちらを見て周りながら咲いたカモミールをお土産にもらっていた時だ。Aの元に1人の青年が近ずいてきた。隣にはひとらんも居る。
Ht「Aちゃん。ちょっと良いかな?」
『ええ、大丈夫ですよ。なんでしょうか?』
Aがそう聞くと青年が前に出て敬礼した。その顔は明らかな緊張が見える。身長は高く、トントンのようにガッシリとした体型の彼はAによく質問してくる青年で何か知りたいことがあったのかとAは不思議に思う。
「自分はアルファと申します!この度はA様に折り入って頼みがあります。聞いてくださいますか?」
『…構いませんが、なんでしょうか。』
「自分を弟子にして欲しいのです!!」
『…は?』
思わず出た低い声にアルファの肩が揺れる。恐らく断られると思ったのだろう。次の瞬間には彼は土下座をしていた。いや、それはもう綺麗な土下座だ。
「お願い致します、A様!自分を弟子にしてください!」
『え、いや、あの…。』
Aがチラリとひとらんを見るものの彼はニコリと笑うだけだった。いきなりすぎる展開にAは混乱するが『土下座をやめてください…』と言った。するとゆっくりと顔を上げた青年にAは『おや?』と首を傾げた。
『あなたはいつも質問をしてくる…。』
「は、はい!!そうです!よくA様に質問をしに行くやつです!お、覚えて居られるなんて光栄でございます…!」
明るく大きく下手な敬語をする青年にAが『勉強熱心な方だな、と印象を持っていたものでして…。』と言うと青年は再び感したような声を出して自身の顔を両手で隠し「か、感激、光栄の至りです…」と声をこぼした。
『それで、弟子、とは…?ひとらん様、また変なことでも吹き込みました?』
ジロっとAが目を細めてひとらんを見れば「別に普通のことだよ?」と彼は返した。
「ほら、Aちゃんが食堂の建設計画でシェフがほしいって言ってたでしょ?その話をしたら、このアルファがやりたいって言い始めてね。連れてきたんだよ。」
『なぜ食堂の話を…。』と言ってAはアルファを見た。どこからどう見てもピュアそうな目でAを見てくる。その様子にAは『はあ…』とため息をつくと青年に向き直った。
『残念ですが、お断りさせていただきます。』
4079人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「逆ハー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なつ(プロフ) - もしかしてもう、更新されないのかな…。凄く面白いから続きが気になる(´TωT`) (2022年2月26日 12時) (レス) id: 4522973681 (このIDを非表示/違反報告)
パティシエル(プロフ) - 続編⁉︎一気に読み切ってしまった…。応援してます!! (2022年2月9日 18時) (レス) id: 00c275c356 (このIDを非表示/違反報告)
本が大好きなハリネズミ(プロフ) - リクエストです!酢の物や梅干しなどの酸っぱいものの絡みが見てみたいです!これからも更新頑張ってください! (2022年2月8日 22時) (レス) id: 8df063e8a0 (このIDを非表示/違反報告)
毎日たこ焼き - 続編...!?嬉みです〜!!!これからの更新も楽しみにしてますね!無理しない程度にがんばってください! (2022年2月7日 20時) (レス) @page45 id: d89fb8bcc6 (このIDを非表示/違反報告)
毎日たこ焼き - 更新おめでとぉぉぉぉ!!夢主ちゃん気づいてたんや...凄! (2022年1月28日 7時) (レス) @page42 id: d89fb8bcc6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鏡 | 作成日時:2021年9月7日 11時