＃ ページ6
「今日はダドリーの誕生日なんだ！髪をとかさんかい！」
動物園に行く準備のさながら、――主にペチュニアおばさんによるダドリーおめかしタイムだ――バーノンおじさんが怒鳴る。
ハリーの真っ黒なくせ毛は、どんなに髪をとかしてもぴょんぴょんとはねてしまう。
「こっちのほうがいいのにね」
と、マリーはハリーのくせ毛がお気に入りのようだ。
ハリーとマリーは双子だが、あまり似ているようで似ていなかった。
くせっ毛な黒髪に鮮やかな緑色の目、セロテープだらけの丸眼鏡をかけた兄。
ハリーほどではないが、少しくせのある金髪に、黄みがかった薄茶――ハシバミ色の目をした妹。
外見こそ似ていないが、唯一同じものを持つとしたら、ふたりの額の稲妻型の傷だ。
しかもこれは不思議な傷だった。
いつも同じタイミングで時たま痛むのだ。
決まって同じ夢を見たり、同じことを考えていたり。
しかしハリーもマリーも双子には良くあることなのだろう、と大して特別なこととは思っていなかった。
ようやくダドリーのおめかしが終わり、バーノンおじさんの新車に乗り込もうとしたとき、おじさんがバンと目の前でドアを閉めた。
「いいか、小僧。一言言っておくが…」
バーノンおじさんの鼻穴が大きく膨らんでいる。
「変なことをしてみろ。ちょっとでもだ、そしたら1週間食事抜きだからな」
そう、ハリーとマリーの周りでよく不可思議なことが起こるのだ。
前髪だけを残して丸刈りにされたハリー――このときだけはマリーがブチ切れていた。ハリーはこの時ほど怒った妹を見たことはない――の髪が、翌日にはいつもの長さに戻っていたり。
マリーは大喜びだった。
おばさんが、自分のお古のだっさいセーターをマリーに着させようとしたが、マリーの頭からかぶせようとするたび、どんどん小さくなり、とうとう指人形でさえ着れないほど小さく縮んでしまったり。
「わかってるよ」
「いい子にするわ」
今日は何事もありませんように。
双子はそう願いながらピカピカの新車に乗り込んだ。
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あんこもち(プロフ) - マナさん» 答えられるものでしたら答えますよ。 (2021年5月21日 21時) (
レス) id: 1c65ba4acb (このIDを非表示/違反報告)
マナ - あんこもちさん» こんばんは……質問していいですか？ (2021年5月21日 20時) (レス) id: 6153e9bd6b (このIDを非表示/違反報告)
あんこもち(プロフ) - 麗さん» 変換ミスでした。ご指摘ありがとうございます。 (2021年2月4日 21時) (レス) id: 1c65ba4acb (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - ダドリーは男の子なのでどちらかというと 従妹 より 従弟 ではないでしょうか？ (2021年2月4日 8時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
あんこもち(プロフ) - ミルク さん» 嬉しいお言葉感謝致します。ですが、当サイトでも盗作等の被害がみられるのも事実です。そのため、大変有難いお言葉ですが、トラブルを起こさないためにも、お控えくださると嬉しいです。どうかご理解のほど、よろしくお願いいたします。 (2020年10月30日 23時) (レス) id: 1c65ba4acb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2020年4月22日 1時
