# ページ46
そんな勝ち誇った気持ちもつかの間で、
「ポッター！！」
校庭の向こうからマクゴナガル先生がつかつかと歩いてきていた。
あぁ、終わった。何もかも終わりだ。
あんなに派手に飛びあっていたら、マダム・フーチ以外の先生が見ていたとしてもおかしくはなかった。
「着いてきなさい」
マルフォイはまたもその顔に嘲笑うような表情を浮かべている。
どうして、飛んでいたのはマルフォイも同じなのに。
そんなことを言っても通じない相手であることは、言わずもがなだった。
自身の寮生を贔屓するスネイプとは違い、マクゴナガル先生はそれがグリフィンドール生であろうと関係ない。
ハリーとマリーはずっと自分の足を見つめながらマクゴナガル先生のあとを歩いた。
退学を言い渡されたらどうしよう。
またダーズリーの家に戻るはめになるのかと思うと、胃がよじれる思いだった。
「ここで待ってなさい」
クィレル先生の教室の前でそういい渡され、ハリーとマリーはぽつんと取り残された。
「ごめんなさい、ハリー」
「いや、おあいこさ。僕も飛んだんだ。追い出される時は一緒だよ、マリー」
あの爽快感はどこへ行ったのだろうか。今の双子には絶望しかなかった。
マクゴナガル先生が戻ってくると、1人の生徒を連れていた。かなりの上級生だろう、しっかりしたガタイの良い体をしている。
「ポッター、こちらはオリバー・ウッドです。ウッド、素晴らしいチェイサーとシーカーを見つけましたよ！」
ハリーとマリーもマクゴナガル先生の言葉をいまいち理解できなかった。そしてどうしてマクゴナガル先生はこんなにもにこやかなのか。
「あ、あの、私たち、退学処分とか、その…」
「何を言っているのですか、ポッター。彼はクィディッチのグリフィンドールチームのキャプテンです。」
「やぁ、はじめまして」
「あ、えっと…」
「あなたたちが勝手に飛んだことは目をつぶります、ポッター。」
マクゴナガル先生の話はこうだった。
マリーの素早い洞察力のある飛行と、ハリーの素晴らしい飛びっぷりを買い、ふたりをグリフィンドールのチームに引き入れたのだ。
「1年生が寮の代表に選ばれたのは、実に100年振りなのですよ」
こんなにも興奮しているマクゴナガル先生の姿を見るのは、初めてだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 315人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あんこもち(プロフ) - マナさん» 答えられるものでしたら答えますよ。 (2021年5月21日 21時) (
レス) id: 1c65ba4acb (このIDを非表示/違反報告)
マナ - あんこもちさん» こんばんは……質問していいですか？ (2021年5月21日 20時) (レス) id: 6153e9bd6b (このIDを非表示/違反報告)
あんこもち(プロフ) - 麗さん» 変換ミスでした。ご指摘ありがとうございます。 (2021年2月4日 21時) (レス) id: 1c65ba4acb (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - ダドリーは男の子なのでどちらかというと 従妹 より 従弟 ではないでしょうか？ (2021年2月4日 8時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
あんこもち(プロフ) - ミルク さん» 嬉しいお言葉感謝致します。ですが、当サイトでも盗作等の被害がみられるのも事実です。そのため、大変有難いお言葉ですが、トラブルを起こさないためにも、お控えくださると嬉しいです。どうかご理解のほど、よろしくお願いいたします。 (2020年10月30日 23時) (レス) id: 1c65ba4acb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あんこもち
| 作成日時：2020年4月22日 1時
