19 ページ42
「この男を殺すから！頼むよエンデヴァー！今度は間違えないでくれ！！」
「っ……」
車内にいても聞こえる怪しい風貌の男の言葉にAは思わず身を震わせた
己を殺してくれと望み周りを平気で巻き込むその姿にただただ恐怖を感じた
そして久々に感じるこの殺伐とした雰囲気に
その場に蹲り隠れるように両腕で己を抱きしめて縮こまる
見えないように
見られないように
連れていかれないように
拘束され雁字搦めになっている人をみた
あれは多分さっきまで共に食事をしていた轟の兄だ
食卓を囲んでいた時誰がこうなる未来を想像していたか
敵とはいつどこに現れるか分からない
そして誰が狙われるのかも
たまたまなのか意図してなのか
捕まったらその先に待っている彼の悲惨な未来を想像して
Aは吐き気を感じ咄嗟に口元を抑えた
「いや、だ……いやだ……」
それは何に対してか誰に対してなのか
Aにもうまく処理できてなかった
だけど、今この状況
誰か救ってくれと無意識にヒーローを探して顔を上げた
ガタンッ
「！ぅわ……っ！？」
物音と共に車が浮き上がり体制が崩れる
不安定に持ち上げられすぐに勢いよく上に圧を感じて天井に頭をぶつける
車が持ち上がるなんて想像できなくて何が起こったのか理解できなかった
「A！！」と外で名を呼ぶ声が聞こえ白い布状の何かが窓越しに絡みつくのを見てすぐ今度は下に圧がかかりシートにまた身体をぶつける
重力に従い車が落ちてるのだと気づいた時には窓から見える景色が全てを見下ろすような形になっており、その先に赤い炎の一閃がみえた
「轟……っ」
敵に向かってものすごい速さで地を蹴るその姿に炎が揺らめいて轟々と唸りをあげる
瞬間的に爆音が聞こえものすごい速さで駆け抜け人質の轟兄を救出する爆豪の姿
同じ視線の高さに投げ出された車達を黒い帯状のもので捕らえ安全に下ろす緑谷の姿まで捉えた所でガクンッと落ちていた圧が止まり、再び体がこてりと倒れる
「Aっ！無事か！！」
「ぁ……相澤、さん…」
窓に張り付くようにして真剣な表情でこちらを見て名を叫ぶ相澤
その後ろには白い紐状のものが色んな建物や街灯に経由されAの乗る車を地に叩きつけないよう工夫してくれたことが見て取れて、助かったのだと詰めていた息を吐き出した
バクバクと心臓の鼓動が鳴り止まない
けれど、現状は終息しつつあった
数分の出来事だった
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 227人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みけいぬこ(プロフ) - レインさん» コメントありがとうございます！私も気づいてすぐ更新したのですが何故かすぐ非公開になってしまって汗また載せましたのでよろしくお願いします( т т ) (2022年10月31日 2時) (
レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - スズレカさん» コメントありがとうございます💦何度か載せてるのですが何故か非公開になってしまって。上げ直しましたのでご確認お願いします！ (2022年10月31日 2時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - 突然すみません！最近の更新話で3の次が5になっていて4が抜けていて話が飛んでいるような気がします。私側の不具合でしたらすみません💦 (2022年10月28日 22時) (レス) id: 569c36d262 (このIDを非表示/違反報告)
スズレカ(プロフ) - 初コメ失礼します。Himmelhoch uitramarinの4話目が非公開になってるかもしれません（違ったらごめんなさい）。いつも楽しみに待ってます。更新頑張ってください！ (2022年10月28日 21時) (レス) id: d908ec33e4 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - せつなさん» 修学旅行おかえりなさい！更新させていただいております！比較的ほのぼのライフを送っています笑楽しんでもらえてますと幸いです*.(๓´͈ ˘ `͈๓).* (2022年10月28日 5時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年10月6日 14時
