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いつだって世界は理不尽に塗れていて
それに押し潰されてきた
いつだってAから何か望んだことはない
誰かの好意の言葉に
誰かの強い思いに
誰かの望む願いに
Aは応えてきた
それを叶えてあげようと願ってきた
無意識の中でまたは意識的に
ドラゴンの持つと夢見た再生能力も
若返りの薬も
戦闘能力も
力を分け与えることも
望む姿に変わることも
何もかも全部周りが夢見たこと望まれた結果
«待って！それは違う…俺たちは君の個性を利用しようなんて思ってない。ただ守りたくて…»
「敵にAを売った奴がよく言うぜ。知ってンだぜ、あんた神野の時もA見捨てただろ」
«！！…ち、ちが»
「最後に羽根で救ったから見捨ててないって？敵の懐に近づくためにAを使った。そうだよなァ」
言い返せない様子に少年は身体が少しずつ冷えていくのを感じる
湧き上がる怒りで熱くなりそうなのに、そうはならなくて
奥底に眠るAの心が泣いているような気がした
もうやめてと泣いている
無いはずの腕の先が研ぎ澄まされたように痛む
「(A、これが真実で現実なんだ…)」
僅かに揺れる体を、薄れていきそうな意識を怒りと世界に対する憎悪でなんとか奮い立たせる
「てめェもだ…ベストジーニスト。なんで雄英にAを通わせた。Aが一言でも行きたいって言ったかよ」
「！それは…」
「勝手にそこにAの幸せを見出して離れて捨てたんだ。ずっと待ってたのに…Aはてめェを信じてたのに……！」
少年の瞳から頬に涙が伝う
Aが信じたものは
Aが安心していた人は
Aが自分を犠牲にしてきた世界は
Aに平気で嘘をつき
Aを言葉で縛りつけ
A以外を守るため奔走する
「俺、は…誰ももう信用しない、この世界に本当にAを思ってくれる奴はいねェ。守ってくれる奴なんて……」
「！？A…！」
ふらりと崩れ落ちる少年にジーニストは思わずその場に立ち上がり駆け出した
その腕にやっと触れることができたその存在は冷たく冷えきって全身で自分を拒絶しているようだった
「誰も、信じねェ…全部壊して、Aがちゃんと生きてける世界に……」
「あぁ…A……すまない…」
呪詛のようにそう呟き気を失ってしまった少年
その姿はAそのもので
その冷たさに、縋るように
はち切れそうな愛しさを
強く、強く抱きしめた
冬の終わりは自然と時が教えてくれる
この終わりは、だれが教えてくれるのだろう
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みけいぬこ(プロフ) - mikittyさん» ありがとうございます！ (2022年9月30日 7時) (
レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 更新お疲れ様です！ (2022年9月29日 14時) (レス) @page45 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - さきさん» わわわっ！なんという休日の使い方！嬉し申し訳なし<(_ _*)>でもありがとうございます！とても嬉しいですっ気づけばもう12…まだ続きますので更新頑張っていきます！ (2022年9月27日 7時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - ガチで一気読みしました！！！！！！休日一日費やした。面白くてやばいです（？）語彙力失うくらい。更新待ってます！！ (2022年9月26日 22時) (レス) @page37 id: 9fc0d0edba (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - 彩都さん» コメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいコメントꉂ( ˃ ⌑ ˂ഃ )日本語おかしくて嘆いてる私に優しい言葉嬉しいです！早足で終わらせた気が否めませんが…黒くん編行きたいと思います！目指せハピエン！( ߹ ^ ߹ ) (2022年9月22日 19時) (レス) @page29 id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年9月13日 14時
