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「＿＿…脈動がまったく聞こえない…どうなってる…？」
鈍色に染まった卵を前に個性研究のトップを走る医者や各科でその名を轟かす名医と言われる人達が最先端機器を用いて得られる結果に
「最先端のMRIでも…中の様子が写せないなんて…この殻の厚さはどうなってる…！」
「厚さ以前にこの中に本当に子供がいるのか？胎動すら感じない……！」
「まるで岩だ…これはもう割ってみるしかないのでは…」
そう口から言葉が出てしまうほどに目の前の卵からは生体反応が垣間見えなかった。トップヒーローがそうだと言うから個性による形成変化と思って調査しているだけで結果だけみるとそうではない
辛うじてその卵から沈黙の意思が感じられるような気がして生きていたのか？と思わせるほど。しかしほぼほぼこれは物なのではないかと思い始めていた
＿＿…さわ、るな…………
「！？」
「今、声が……」
丸一日働き通しで疲れていたのか
どこからか幼さの残る剣呑とした声が聞こえた気がした
長い長い眠り
というよりはじめての現実世界
Aとの意識を移行する事に時間を要してしまった様だった
瞬きで揺れる睫毛がくすぐったく
見えた薄暗いそれでも光の感じるその刺激に思わず目を顰める
蹲り片腕で抱きしめていた両膝がパキパキと音を立てて伸ばされた
「？……！！？！い、いつの間に…子供？！」
鼓膜をそんな声が反響しキィンと耳と脳に響いて一瞬痛んだ
視線をそちらに移せば鈍色の卵の先に幾人もの他人が一様に驚いた表情でこっちを見つめていた
その視線がただただ不快だった
「…っせェな……モブが…！」
無意識に出たその単語
素足に床の冷たさを感じる
片腕がないことで一瞬バランスが崩れよろけそうになるのを堪え、暗く鈍く光る赤い双眸が鋭く周りを睨みつける
足元からパキリパキリと冷たい空気が円を描きだす
目の前にはAの卵
それを取り囲むように他人が
無機質なコードが
よくわからない機械達が取り囲む
「ほんっと…にどこ行ってもAの周りは変わらねェ…クソばっかだな……」
内で見ていた世界と変わらない光景に
反吐が出そうだった
「ヒッ…！」
誰かがそんなか細い悲鳴を漏らしたと同時に
辺り一帯に冷気の圧が卵を中心に波紋状に広がり
人々はその圧に押しやられように後方に飛んだ
そしてガラス窓が、壁が軋みを上げてひび割れ崩れ落ち
一瞬にして氷に包まれたのだった
．
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みけいぬこ(プロフ) - mikittyさん» ありがとうございます！ (2022年9月30日 7時) (
レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 更新お疲れ様です！ (2022年9月29日 14時) (レス) @page45 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - さきさん» わわわっ！なんという休日の使い方！嬉し申し訳なし<(_ _*)>でもありがとうございます！とても嬉しいですっ気づけばもう12…まだ続きますので更新頑張っていきます！ (2022年9月27日 7時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - ガチで一気読みしました！！！！！！休日一日費やした。面白くてやばいです（？）語彙力失うくらい。更新待ってます！！ (2022年9月26日 22時) (レス) @page37 id: 9fc0d0edba (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - 彩都さん» コメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいコメントꉂ( ˃ ⌑ ˂ഃ )日本語おかしくて嘆いてる私に優しい言葉嬉しいです！早足で終わらせた気が否めませんが…黒くん編行きたいと思います！目指せハピエン！( ߹ ^ ߹ ) (2022年9月22日 19時) (レス) @page29 id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年9月13日 14時
