5話 言わなかったこと ページ5
中一から中二になる間に私の母親が亡くなった。不慮の事故だったらしい。
と言っても、家にはいた事があまりないし、居ても会話もない。そして、血の繋がりもない。1ヶ月暮らせる分のお金は振り込んでもらってたし、杠たち家族の支えもあってそれは別に苦はなかった。
お葬式には杠ももちろん来てくれた。私は別に悲しいとかそういう感情にはなれなかった。多分上手く整理できずに感情を表に出さなかったのかもしれない。私が感情表現ができない分いつも杠が笑ってくれたり泣いたりする。
『杠にはわらってほしいんだけどな』
「だってぇ、、」
後日、千空たちも知り、少し気を使われたのは気持ち悪いと思ったのを今でも覚えてる。
そして、母親(仮)の父親と母親私の祖父母にあたるひとが引き取る形になった。あったことも無く少し不安でもあったけどその人たちの近くののアパートに住むことになった。
(隣の家に挨拶するように言われたけど、)
「はーい」
『お隣に引っ越してきました。AAです。よろしくお願いします』
「おう!これはご丁寧にありがとうございます。初めまして、石神です。」
『(い、いしがみ、?)』
「おーい!千空、引越しの挨拶来てくれたぞ」
「聞こえてるっつう、、の」
『や、やぁ、千空』
「ククお隣とは合理的だな」
「なんだ!この子が千空が言ってた子か!!うちの千空がお世話になってます!」
『いえいえ、お世話してます。』
「おい!」
『(へー、これが千空のお父さんか、なんか、千空のお父さんって感じだ。)』
「そうだ!今日の夜一緒に夜ご飯食べるか?」
『いいんですか』
「もちろん!苦手な食べ物とかあるか?」
『いえ、特に』
「それじゃあ、てめぇにちょー絶うまいラーメン食わせてやるよ。3日前から白夜と作ってんだ。」
「いやぁ、今回のは力作だからな!18時くらいに千空に迎えに行かせるから!」
『は、はい!』
なんだか、春風みたいな人だな。
その夜。
ピンポーン
『はーい』
「おう、迎えに来たぜ。それと実験もちと付き合ってもらうからな」
『うん。いいよ』
『すごく本格的だな。』
「よーし!食べるぞ!」
食卓にはラーメンと餃子、チャーハンが揃ってた。
『「「いただきます。」」』
『!、』
「どーだ?美味いだろ?」
『お、おいしい。』
「そーだろ!そーだろ!」

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作者名:みたらし団子 | 作成日時:2024年1月8日 23時