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そして、睡魔に包まれた教室の中で午後の授業を受け終えた放課後。

私とセンラくんは、普通教棟3階西側、生徒会室にて、先生から手渡された大量の書類をまとめる作業に入っていた。

生徒名簿やら種目一覧やら色んな情報が詰め込まれた紙を眺めていると、なんだか目がチカチカしてくる。

作業を始めてまだ一時間程だと言うのに、軽い鈍痛が頭と目の奥を刺激していた。


「小鳥遊さん、大丈夫?」


机の向かい側に座ったセンラくんが、いつの間にかシャーペンを走らせる手を止めてこちらを見つめている。

心配そうな目をしているけれど、その顔にも確かな疲労が見え隠れしていて。


(疲れてるのは、私だけじゃない)


私だけが弱音を吐く訳にはいかない。


「大丈夫。……センラくんは?」


軽く笑みを刻んでそう答え、問いかければ、センラくんは指先でクルクルとシャーペンを回しながら「まぁなんとか」とため息をついた。

センラくんの傍には既に確認し終えた資料が積まれていて、その量は私よりもかなり多い。


「速いね」

「せやろ」


ふふん、と自慢げなセンラくんがなんだか少し意外で、私はくすくすと笑う。
不思議そうに首を傾げる彼は、なんだか少し幼く見えた。

視線を資料へと落とし、作業を続ける。

目の前から聞こえる衣擦れの音。
センラくんも作業に戻ったのだろう。

無言、静寂。
ただただ、空気を冷やすクーラーの機械音だけが小さく鳴っている。


「な、小鳥遊さん」


それを、センラくんが破った。

顔を上げるけど、彼は資料に向き合ったまま。
私も視線を下げ、シャーペンを走らせながら「何?」と答える。


「なんで執行部入ろうと思たん?」


それは唐突な問いだった。

一瞬ペンが止まるけれど、直ぐにまた紙の上を走り始める。


「急にどうしたの?」

「何となく。無言でやっても疲れるだけやろ」


確かにその通りだけれど。
確かに疲れて集中力が欠けていたけれど。

あまりにも唐突に投げかけられた問いに、くすりと笑いながら私は答える。
視線はそのまま、資料に向けて。


「特に理由はないよ。執行部に人手が足りてなかったらしくて、だったら文化部の私が入ればいっか、みたいな」

「軽っ」


「軽いよー」と(おど)けると、センラくんは「まぁそんなもんか」と妙に納得したようだった。

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acotatta(プロフ) - とてつもなく面白いです...!!夢主ちゃん可愛いし描写うますぎませんか?! 応援してます〜!! (2019年9月18日 0時) (レス) id: 8be6c7c599 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星奈 ふゆ | 作成日時:2019年9月16日 18時

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