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「食事も、毎日豪勢なものを持ってこさせよう。望めばなんでも持ってきてやる。だから、お前は一生をここで過ごせばいい」
淡々と狂ったような言葉を紡ぎ出すお父様に、もう畏怖しか感じなかった。
全身を震わせる私を最後に一瞥した父は、くるりと身を翻す。
ーー居なくなってしまう。
そう察した私は、慌てて立ち上がろうとする……けれど。
じゃらりと足に絡みつく足枷に阻まれ、その場に倒れ込んでしまう。
「っ、お父様！ 待ってください！」
やっと飛び出た声は、悲痛なものだった。
「出して……！ここから出してください！」
必死の呼びかけに、懇願に、お父様が答えることはなく。
何も言わずに去る後ろ姿を、ただただ見つめることしか出来なかった。
「お父、さまぁ……」
畳に叩き付けられ、痛む膝。
確か朝方にも膝を痛めたな、なんて、こんな状況なのにも関わらず思い出してしまう。
痛む部位は同じなのに。
私という存在も、お父様という存在も、何も変わらないのに。
環境だけが、こんなにも大きく変わってしまった。
ーー出ないと思っていた涙が、ほろりと零れる。
畳に染みて消えた涙を見て、私は必死に目を抑えた。
熱い、目が熱い。
次々と溢れ出す涙が、熱い。
「……姫様」
柵の向こうにいる見張りの兵が、小さく私を呼ぶ。
涙で滲む視界で見た先には、馴染みの兵が辛そうな表情で立っていた。
手に、豪華な料理を乗せた
「お食事を、お持ちしました」
腰を下ろした兵に、私は身体を起こして答える。
「……要りません」
食べられるわけない。
こんな場所で、こんな状況で。
「っ、ですが」
「要らないと言っているでしょうっ！」
つい声を荒らげてしまい、ハッと口を抑える。
兵は、寂しそうな目をしていた。
「……出過ぎた真似を致しました。こちらは一度下げますので……お食べになられる時は、お声がけ下さい」
「分かり、ました。……すみません」
そう言い、頭を垂れた兵は、そのまま闇へと消えていく。
どうして、こんな目に合わなければいけないのか。
どうして、こんな仕打ちを受けなければならないのか。
ーー自分という存在が、今日ばかりは憎らしくて仕方がなかった。
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ちょこ - 更新が止まってます！戻ってきてください！続き楽しみに待ってます！ (2020年7月11日 23時) (
レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
あういえお - ぐへへ...((え、すげー...みんな言葉使いが...おしとやか...(?) (2019年7月25日 14時) (レス) id: 473868f78a (このIDを非表示/違反報告)
もうふ - きゃぁぁぁぁ(( 好き。(笑) (2019年7月23日 22時) (レス) id: bc132d7752 (このIDを非表示/違反報告)
狐 - 続きがきになる・・・更新頑張ってください！ (2019年7月22日 20時) (レス) id: 7ea13ff707 (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - すんばらしい！更新頑張ってくださいねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ！ (2019年7月22日 14時) (レス) id: 473868f78a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星奈 ふゆ | 作成日時：2019年7月21日 16時
