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【萩原研二】
Aちゃんから足が治ってきたと連絡が来たから、いつも女の子を誘う要領でランチに誘ってみた。
Aちゃんのことだから拒否るかなと思ったら思いのほか食い付いた。
ラッキーと思い翌日迎えに行ったら珍しく眼鏡をかけてロングスカートを履いてるAちゃんを見ることが出来た。
正直可愛いと思った。
なんか、当たり前のようにこの子を可愛いなと思ってる自分がいて驚いた。
自分が思っている以上に俺はこの子のことを気に入ってるみたいだ。
だからなのか、普段他の女の子と行く店じゃなくて松田とかとたまに入る喫茶店に連れて行ってしまった。
言ってしまえば女の子受けするような店じゃない。古くてそれっぽい喫茶店だ。
それでもここの料理は美味しいということだけは確信してるからそれだけはちゃんと伝えた。
そしたら、ガッツリオムライスを頼んでいた。
それだけなのに、可愛いなと思ってしまった。そろそろ末期だろうか。
俺は誤魔化すように女の子を褒めた。可愛いと思ったことをそのまま伝えると女の子は喜ぶ。
だからAちゃんもそうだろうと思っていたら思いっきり見透かされていた。
「萩原さんが相手を褒めるのは褒められたいから?」
うん、そうだよ。なんて言えるわけねぇじゃん。かっこ悪い。だから少しはぐらかした。
余裕のあるふりをして言ったセリフも次の一言でどうでもよくなった。
「今日、私を褒めるのは禁止です。そのかわり、私が萩原さんを褒めますよ」
最初は何言ってんだと思ったけど、俺はこれを承知した。なんとなく面白そうだったから。
そしたらね、もうダメだった。5歳年下の女の子に誉め殺しにされた。
ただずっと褒められてるだけなのに我慢出来なくて止めてしまったぐらいだ。
いや、本当に待って。勘弁してください。
「寂しがりやな萩原さん、褒められた気分はどうですか?」
にっこり笑って聞いてきた。正直嬉しかった。もうね、落ちたよ完全に。落ちた根拠なんてないよ。ただ好きだなって思っただけ。
ただひたすら褒められて落ちた。安易だろうが何だろうが俺は完全にこの子が好きだった。
年甲斐もなく真っ赤になってさ、俺本当にどうかしてる。あー、もう、好きです。だけどもう褒めたらダメ。俺が駄目になるから。
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寝子 - ええ、あ、続きは!? ずっと待ってるんですが (2月18日 21時) (レス) @page28 id: 57e090ea6a (このIDを非表示/違反報告)
猫 - 続き待ってます (1月4日 10時) (レス) @page28 id: 964519cfd9 (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (6月9日 0時) (レス) @page28 id: de2c41cb59 (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - 更新待ってます (5月25日 16時) (レス) id: 8ef7621f8b (このIDを非表示/違反報告)
わかめ - 続きが気になって仕方ないです!更新楽しみにしてます! (2022年9月20日 17時) (レス) id: 979aaf8679 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おふとん | 作成日時:2019年8月7日 1時