【名探偵コナン】転生案件はお呼びでない 2 (ページ25)

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映画に水族館、ショッピングモールと色々と連れ回されること半日経過。

今話題の映画を見て、欲しかった本を買ってもらった。

小腹が空いたら近くの喫茶店に入って軽くランチとこれはあれだ。世に言うデートである。

「デートみたいだ」と口に出せば「そのつもりだが」と松田陣平に返された。

そうか、そうですか。デートか。いや、あれだね。結構楽しいもんだねデートって。

これで恋の一つや二つしていればもっと楽しいだろうに、私にはこれ以上は求められない。

もうこれで十分、お腹いっぱいです。と言ってやれば横髪を耳にかけられピアスをしているところに触れてきた。

「何ですか？」と聞いてみれば「これ、誰に開けてもらった」と尋ねられた。

さて、どう答えようか。ジンさんとは正直に言えない。「海外であった大人な人」と答えた。

「いつも同じようなピアスだよな。そいつからの贈り物か？」

まぁ、そうですね。それが何ですか。

「いや、重いプレゼントだなと思ってよ」と笑っていた。重い、だろうか私は純粋に嬉しかったのだが。

「何か考えてもの送るような人ではないと思うから大した意味はないと思いますよ」と言ったら「だといいけどな」と渋い顔をしていた。

「んで、そんな中で俺からも重いプレゼントだ」と掌サイズの包装紙に包まれた何かを渡された。

開けていいかと許可を取り中を見てみると明るい色のリップクリーム。デザインが凝っていていかにも高そうなやつ。

「貰ってばかりで悪い気が」と返すと「なら、それを唇に塗って俺に返せよ」とニヤニヤしながら言ってきた。

あぁ、なるほど。そういうことか。マジで恋人にそういうプレゼントしろよ思う。

暗くなってきて店を出て帰るつもりが松田陣平に引き止められる。「さっきのリップ出せ」と言われたので渡したら私の唇にそれを塗り出した。

「動くな、ズレてブスになるぞ」と言われたが元々性格ブスだよと言い返したい。

満足気に出来たと言って唇が重なる、それは一瞬で目の前の松田陣平の唇に同じ色のリップが付いていた。

「最高に似合ってる」と言われてもう一度重なりそうになるが唇の間に手を挟み「もうダメですよ」と返す。

「じゃあまた次会う時はつけて来いよ」と言って松田陣平は私に背を向け帰っていった。