【名探偵コナン】転生案件はお呼びでない

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空き缶の山が目の前に積み上がり頭がボーッとする。




あの後、萩原研二と飲みに飲み酔ってしまった。宅飲みだから別にいいのだが、すっごいふらふらする。




先程も水を取ろうと席を立った途端よろけて壁に激突。伊達航などにめちゃくちゃ心配され口から出たのは「精神統一」




苦し過ぎる言い訳をした後、水をがぶ飲みしたが酔いが一向にさめない。




伊達航と萩原研二は明日も仕事らしく帰ったが松田陣平は非番らしい。朝まで飲む気だな、この人。




もう寝てしまおうか、帰った伊達航にはいつもの忠告も言ったし。ソファに座り背もたれに体重をかける。




眠くなってきた。このまま寝ようかな。寝てたらいつものように諸伏景光が運んでくれるだろう。




そう思っていたら隣に誰かが座った。いつもの要領で座った人物の肩に頭を乗せた。瞼を閉じて意識を飛ばしかけた時、煙草の匂いが鼻をかすめた。




ジンもこんな匂いさせてたな。煙草の匂いは嫌いじゃない。





匂いのする方へ擦り寄るようにして「ミツ君」と呼んでみたが返事は返ってこない。





そういえばミツ君って煙草吸うけどここまで匂いしなかったはず、じゃあ今頭撫でてるのは誰だ。




眠く重い瞼をうっすら開けて確認したら隣の人物とバッチリ目があった。




諸伏景光じゃないな、うん。彼奴はこんなくせ毛じゃなかった。それに私の前では絶対煙草を吸わない。




「松田さん」




隣に座る人物の名前を呼んでみたら「正解」と言ってニヤリと笑っていた。




そういえば諸伏景光はベランダで煙草吸いに行ってたな。この人は普通にここで吸ってるけど。




「煙草の匂い嫌いだったか」と聞かれたから首を横に振った。嫌いじゃない、好きだと伝える。




「落ち着くんですよね、なんか」




ジンに毒されたかな、煙草なんて害しかないのに。馬鹿だな、私も。




煙草の匂いに落ち着いて一度冷めかけた眠気がまたやってきた。松田陣平の肩に頭を乗せたまま瞼を閉じた。




もう、無理だ。眠気には勝てん。

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