【名探偵コナン】転生案件はお呼びでない

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一年ぶりに見る地元はそこまで変わっていなかった。




当たり前か、たった一年だもんな。キャリーバッグを転がしながら我が家に向かう。




両親は旅行中だし、兄には帰ったという連絡を入れてないから家帰っても一人なんだよな。




バイオレンスな日々が恋しくなりますなぁ。あー、寂しい。




口には出さないが一人はあまり好きでない。え、だって寂しいじゃん。ジンに懐いたのは一人になりたくない自分勝手な思いからかもしれない。




いや、欲深いというか罪深いというかやっぱり自分も傲慢な人間なんだなと再認識した。




鍵を開けて誰もいない家に帰る。「ただいま」と言っても何も返ってこない。日課って嫌だなこういう時。余計寂しくなる。




部屋にキャリーバッグを置いてからベッドにダイブする。着替えなきゃとは思うけれど眠くて動けない。




起きたらやります、どうせ怒る人は今日帰ってこないし。




目を瞑ると意識が遠のくが分かった。あー、眠い、寝るおやすみー。








・






頬に誰かが触れているのが分かった。意識がぼんやりと戻り始め、隣に誰かがいることに気が付いた。




誰だろうか、頬を撫でる感覚と人肌の温度が心地よくて自らその手に頬を押し付けた。




薄めでその人物の顔を確認してみたが、驚いて勢いよく飛び起きた。




「起きたか。降谷妹」




くせ毛の髪に若干童顔の男が何故かベッドに座っていた。そりゃあ飛び起きるわ。




というかこの男、あれだろ。松田陣平。




何でいるんだ。全く状況を理解できずにいると部屋の扉が開き、お馴染みの人が入ってきた。




兄の降谷零。一度自分の名前を言った後、タックルの如く抱き着いてきた。




グエッと蛙が潰れたような声が出たが気にせずに抱き着いてくるあたり連絡しなかったのが相当ストレスだったらしい。なんかすいませんでした。




「降谷がシスコンってのは聞いてたがここまでとは思わなかった」と松田陣平。うん、私も久々に会ってタックルみたいな抱擁を食らうとは思わなかったよ。




連絡しなかったことについては謝るから離してくれと伝えると渋々腰に回された腕を離した。




「色々と言いたいことはあるが、まず一言。おかえり、A」




「…うん、ただいま」と言ってから正座させられておよそ1時間説教くらった。




説教始まる前に出て行った松田陣平は「ご愁傷様」とだけ言った。




後で覚えておけ、だけどちょっと待って足痺れてそれどころじゃない

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