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Aはわざと音を出しながら大岩に座って声を掛けたつもりだったのだが、本人はそれに気づいていなかったようで、ビクリと肩を揺らした。
「か、竈門、炭治郎です！」
「ほう……たんじろうか、字はどう書くのじゃ？」
恐る恐ると言った感じで自分の名を口にした炭治郎に、Aが怪しく目を細め、クスリと笑う。
「炭に治めるの治と、次郎の郎です」
「分かった、妾はAじゃよろしくのう」
「は、はい！」
「ふふっ妾に敬語はいらぬ。まあよい炭治郎、刀を構えろ」
吸っていた煙管の中の灰をカンッと言う音と共に灰皿に落としたあと、ふとそう言った。今のAの手には煙管と酒の入った瓢箪しか握られていない。炭治郎とAが戦う理由もなければAの手には得物もない。
「え＿」
これでどう戦えと？と困惑した様子の炭治郎の返事を待たないまま、Aが煙管一本でサッと音もなく近寄ってきた。
「！」
その勢いのままAが煙管を振り上げ、そのまま振り落とす。
咄嗟に炭治郎が刀で受けるが、なんとAの力の強いことか。
今は煙管の匂いが邪魔をしていて炭治郎にAの匂いは分からない。それ故にただの少女だと誤信していたのだろう、
「遅い、遅いぞ炭治郎、そんなものでは岩は斬れぬ」
隙が出来た炭治郎に、すかさずAが蹴りを入れたが、少々Aが強く蹴り過ぎたようで、炭治郎が「うっ」と声を漏らした。
「急に何するんだ！！」
「お主こそ何をしておる、いつまでそこで座り込んでいるつもりなのじゃ？」
「！」
ハッと起き上がる炭治郎に続けてAが攻撃を仕掛ける。
「ま、待ってくれ！俺は真剣を持っているんだ、Aが怪我をしてしまう！！」
炭治郎のAの事を心配する言葉に、Aがピタ、と動きを止めた。確かに炭治郎の言うとおりだ。普通なら真剣を持っている人相手に煙管片手に戦いを挑んだりしない。
“普通なら”だ。
「ほう？お主はそんな事を気にしておるのか？ハハハハツそんなもので妾を怪我させれるとでも思っておるのか、可笑しいのう！こんなに笑ったのは何十年、いや何百年ぶりじゃ！」
生憎Aはその“普通”の枠には入っていない。
だってそもそもの話、人間じゃねえもん。
「何百年！？」
Aの発言に驚いている炭治郎にAは「それに」と続けた。
「たとえお主の持っている刀で切りつけられようが、すぐに再生するから心配はいらぬ」
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月縹(プロフ) - 広海さん» 嬉しいお言葉をありがとうございます！！前程更新頻度は高くはないけど、見てくださる方がいるなら頑張れます😭😭 (2021年11月12日 21時) (
レス) id: 6e9456ced1 (このIDを非表示/違反報告)
広海 - とても面白いです。これからもがんばってください! (2021年11月12日 20時) (レス) @page47 id: 4ad4f67aa2 (このIDを非表示/違反報告)
�桟鈬�(プロフ) - 闇姫さん» 嬉しいです！コメントありがとうございます！無限列車…カ、カキタイ… (2020年10月12日 20時) (レス) id: a8b4b5bef5 (このIDを非表示/違反報告)
闇姫(プロフ) - 凄い面白かったです！無限列車も見たいなと思っております！ (2020年10月12日 19時) (レス) id: aeb4d97102 (このIDを非表示/違反報告)
�桟鈬�(プロフ) - 腐りかけの果物さん» こちらこそありがとうございました！！他の作品(新作とか)なども読んで頂けると嬉しいです！ (2020年10月11日 21時) (レス) id: a8b4b5bef5 (このIDを非表示/違反報告)
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