Scarlet Destiny～アズカバンの囚人〜IV【ハリーポッター】 (ページ8)

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『急いで！』

ハーマイオニーは息を呑み、私は大急ぎでバックビークの綱を解いて言った

ハー「どこへ行ったらいいの？どこに隠れるの？吸魂鬼(ディメンター)がもうすぐやってくるわ_________」

ハ「ハグリッドの小屋に戻ろう！いまは空っぽだ________行こう！」

私達は転げるように走り、バックビークがその後を悠々(ゆうゆう)と走った。背後から狼人間の遠吠えが聞こえてきた

急いで走っていると小屋が見えた。ハリーは急停止し、私はハリーの背中に顔面をぶつかりながら戸が開いたので電光石火(でんこうせっか)、私、ハリー、ハーマイオニーとバックビークが小屋に入り、ハリーが戸の錠前(じょうまえ)を下ろした。ボアハウンド犬のファングが吠えたてた

ハー｢しーっ、ファング。私たちよ！｣

ハーマイオニーが急いで近寄って耳の後ろをカリカリ撫で、静かにさせた

ハー｢危なかったわ！｣

『いてて…顔面打ったぁ…』

ハ｢大丈夫、A？｣

大丈夫だよとハリー言い、私は窓から外を見たがここからだと、何が起こっているのか見えにくかった。バックビークはまたハグリッドの小屋に戻れて嬉しそうに暖炉の前に寝そべり、満足気に翼を畳んで、一眠りしそうだった

ハ｢ねぇ、僕、また外に出た方がいいと思うんだ。｣

ハリーは考えながら言うとハーマイオニーが疑っているような表情で見た

ハ｢僕、割り込むつもりはないよ。でも、何が起こっているか見えないと、シリウスをいつ救い出したらいいかわからないだろう？｣

『私も行くよ。それでいいでしょう？ハーマイオニー』

ハー｢ええ…それなら、いいわ…私、バックビークと待ってる…でもハリー、A、気をつけて_______狼人間もいるし、吸魂鬼(ディメンター)も_______｣

ハーマイオニーがそう言うと私とハリーは頷いて再び外に出て、小屋に沿って回り込んだ。遠くでキャンキャンという鳴き声が聞こえた

『吸魂鬼(ディメンター)がシリウスに迫って来てるわ…』

ハ｢僕達もそろそろシリウスのところに駆けつけてるね…｣

私達は走り出し、だんだん湖に近づいてきたが、誰もいる気配がなかった。向こう岸に、小さな銀色の光が見えた

ハ｢僕達が守護霊(パトローナス)を出しているんだ…｣

私とハリーは水際の木の茂みに隠れ、木の葉を透かして必死に目を凝らした