Scarlet Destiny～アズカバンの囚人〜IV【ハリーポッター】 (ページ13)

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『シリウス、もう行かなきゃ。もうすぐフリットウィック先生の事務所にみんながやってくるの。シリウスがいないことが分かってしまうわ！』

ハリーとハーマイオニーは息を切らしていたが私の言葉に激しく頷いた

シ｢もう一人の子は、ロンはどうした？｣

ハ｢大丈夫________まだ気を失ったままです。でも、マダム･ポンフリーが、治してくださるって言いました。早く______行って！｣

シリウスが急(せ)き込(こ)んで聞き、ハリーが言うが、シリウスは私とハリー、ハーマイオニーを見下ろしたままだった

シ｢なんとお礼を言ったらいいのか________｣

『後でゆっくりお礼は頂くわ。気をつけてね、シリウス』

私はシリウスに近づきそう言うと

シ｢また会おう｣

そう言って私のおでこにキスを落とした

シ｢君たちは_______ほんとうに、お父さんの子だ。ハリー、A…｣

シリウスはそう言い、バックビークのわき腹を踵で締めた。巨大な両翼(りょうよく)が再び振り上げられ、私は一歩下がり、ヒッポグリフが飛翔(ひしょう)した

乗り手とともに、ヒッポグリフの姿がだんだん小さくなっていくのを私達はじっと見送った________やがて二人は行ってしまった

ハー｢ハリー！A！｣

シリウスにキスされたおでこに手を当ててぽ〜っとしているとハーマイオニーが私とハリーの袖を引っ張っていたので私はハッとなった

ハー｢誰にも見つからずに病棟まで戻るのに、十分きっかりしかないわ！ダンブルドアに鍵をかける前に______｣

ハ｢わかった｣

『行きましょ…』

食い入るように空を見つめていた私とハリーは空から目を離し、背後のドアから滑り込み、石造りの螺旋階段(らせんかいだん)を下りた。階段を下りきったところで人声がした。私達は壁にピッタリと身をよせて耳を澄(す)ませた。ファッジとスネイプのようだ。階段下の廊下を、早足で歩いている