次期妻候補争奪戦【浦島坂田船】

自部屋 ページ8

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「A様のお部屋はこことなっております」

『あ、はい…あの、大学は……』

「大学はご主人様がお話なさって休学扱いとなっております」

『はい！？』

「ただ、通ってなくても単位は貰えるそうなので」

『はぁ』


ここの社長さんの正体がさらに謎に包まれてきた気がするけれど、考えても私には分からないし、きっと逃げ出したところですぐに見つけられてしまうのがオチだろう



『ありがとうございました』

「御入浴の準備が出来ましたら、またお呼びします。何かあれば内線でお願い致します」


それでは、と私を置いてスタスタと帰っていくメイドさん

とにかくベッドで少し休んで状況整理しよう…


『…………………なにこれ』


部屋に入ると、今日何度目かの見たことの無い広さの部屋
ただの女子大生にこんな部屋を用意するものなのかな、お金持ちは分からない

ベッドも完全に一人で寝るものじゃない大きさ
クローゼットだって、こんな大きさに入るほどの服なんて私持って…


『え、なにこれ！！？』


私の服はあるものの、明らかに高そうな服ばかりがズラッッと並んでいて


「あー！気づいた？？」

『え、坂田さん？！』

「ドア開いとったよ、気をつけてな？」

『あ、はい…あの、服なんですか』

「俺ら4人が好きな服入れてんねん
ぜーんぶちゃんと着てな！」

『いや、こんなの貰えません！』

「？ なんで？これからお嫁さんになんのに」


何回でも言わせてもらいますけど、本当に許可した覚え無いんです…なんて言葉は純粋そうに笑う坂田さんを目の前に口から出ることは無かった




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