策士な彼の愛は重い【そらる】

05. ページ5

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叩かれるのは御免だ。

女っていうだけでこの界隈は叩かれる、炎上する。


そらるとは昔から仲が良いけどそれを公表したことはない。

まず、私はフォロワー5万人弱の歌い手で活動も頻繁ではない。

ただ歴が長いだけ。

一応お互いフォローはしてるけどリプしたりはしない。

そらるのリスナーも私の存在を認知してる人は少ないはず。


そんな私がそらると絡んだりしたら炎上するに決まってる。

そんなの嫌だ、私は平和に過ごしたいんだ。



「あ、そういえば」



そらるが口を開くと心臓が変に高鳴る。

変なこと言わないでよ

特に昨日のこととか、



「Aの家に上着ない？脱いだまま忘れたかも」



思いっ切り机を叩く。

そのせいで手のひらが痛い。

馬鹿みたいなこと言わないでよ、こんなとこで
なるせもいるのに


そして、なるせは



「え〜なんですかその話詳しく」



こういうやつなんだって

あぁ、顔を見てないのに今どんな顔してるか容易に想像がつくよ

ニタニタ緩んだ口元と私たちを面白そうに見る瞳



「普通に私の家で飲んだだけだよ」


「本当にそれだけ？」


「当たり前じゃん、ね？そらる」



毎度の如く鋭い指摘をしてくるなるせに馬鹿みたいに動揺した感情を抑えながら冷静に答える。

そらるにも同意を求めたのだけど



「んーまぁそれだけではないかな」



本当に馬鹿なの？






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