色のない世界で、君と 2【めいちゃん】

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私が席に座るより先になるせが言った。



「本当はあんなこと言うつもりなかったんだよね、酔ってたからつい本音がもれちゃった」



本音って…

頭をガシガシ掻いて「まじでダサいわ」って笑ってるなるせに私は笑えなくてその場に立ち尽くす。


私はめいちゃんが好き


その事実は揺るがないけれどなるせのことも同じくらい好きなんだ。

好きの種類が違うだけ。

なるせと私の好きの種類も違ったんだね



「なるせ、私はなんて言ったらいい？なんて言ったらなるせがこれ以上傷つかないで済む？」


「…お前は、本当変わんないね」



私はなるせのこの笑った顔が大好き。

きっとこれからも変わらない。



「これからも隣にいてくれたらいいよ」



優しいところも大好き。

大好きなんだよ。


その言葉にすとんと隣に腰を下ろして一緒にお酒を飲んだ。



「俺、Aのこともめいちゃんのことも好きだからさ」


「うん」


「ふたりが幸せになってくれたらそれでいいや」



私の幸せばっか願って、なにやってるの。
なるせにも幸せになって欲しいのに



「これはカッコつけすぎか笑」



そう言っていつもの笑顔で笑う。

グラスの中のお酒がなくなるのと同時にポケットの中のスマホが震えた。



「ふふ、めいちゃんでしょ」



なるせには全部お見通しみたいで



「行っておいで」


「なんでそんな優しい言い方するの」


「いい男だなって思われたいから」



なるせはあはは、て笑ってグラスを持つと私を見ずに手を振る。

馬鹿みたい、本当に。

なるせはいつでもいい男だよ。


後ろで扉が閉まる音がして、一気に涙が流れ出した。



「もしもし」


「A今ど」


「会いたい。めいちゃんに会いたい」







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