【短編集】氷上の王子と私【羽生結弦】 (ページ21)

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．ページ21

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Side. Yuzuru

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目が覚める
だけど隣に居るはずのAが居ない
おかしいな、今日は仕事無いって聞いてたけど…

ジャージを羽織ってリビングに行くとソファーで寝息を立てるAがいた

なんでこんな寒い部屋で寝てるの！？
心做しか顔も赤い…

『A…A起きて』

優しく肩を揺らすとゆっくり目を開けるA

『なんでこんな寒いところで寝てるの？』

｢…えへへ、結弦おはよう…｣

『え、あ、おはよう』

噛み合わない返しに拍子抜けする
一体どうしたんだろう

『Aベッドにいなかったけどどうしたの？』

頬を撫でるといつもより高い体温に気付く
まさか、風邪…？

おでこに手をやるととても熱い
Aは冷たくて気持ちいい～なんて言ってたけど
もう！なんで言わないの！

『A薬は？』

｢…この前結弦が飲んだのが最後｣

『熱計った？』

｢…まだ｣

『とりあえずここだと余計悪化しちゃうからベッド行くよ』

｢…だめだよ…｣

Aが弱々しい声で否定した

｢…結弦にうつったら…大変…｣

熱のせいか瞳を潤ませて言うA
なんて言うか、色っぽく見える…

でも相手は病人
ここで手を出すわけにも行かない

『大丈夫だよ、僕もマスクするから。立てる？』

｢…フラフラする｣

『分かった、ほら、僕につかまって』

ひょい、とお姫様抱っこをしてふと思う
…軽いなぁ
同じ分ご飯も食べてるはずだしスケートやってたからある程度筋肉はあるはずだし
身長が小さいからかな？

あぁ…苦しそうに小さな口から息を漏らすAが妖艶すぎる
それでこの軽さ、やはり女神か…

寝室に連れて行く間にAは辛そうに結弦…と呼んだ