遅れ ページ21
翔side
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予定日から、約2ヶ月早く来た陣痛…。
双子だから、早く生まれることはあると聞いていたけど、
生まれてすぐに保育器に入れられて部屋を出て行った。
Aは、陣痛の痛みと一人目の出産で体力を使いウトウトしていたが、
赤ちゃんが出て行った扉を不安そうに見詰めている。
翔「A、和也ね?早く生まれて来て小さいからNICUって所に入るんだって…‥。
潤も頑張ってるからAもしんどいと思うけど、
早く和也のそばに連れて行ってやろう?」
和也の居場所がわかったからか
幾分か表情が和らいだAの汗をソッと拭った。
ミサト「お腹の子は、のんびり屋さんだなぁ。
先に出た子からそろそろ二時間だな…。
智くんこっち来て、お腹撫で撫でして早く出ておいでーって言ってあげて?」
ミサトさんに呼ばれて嬉しそうに頷いてお腹を撫でに行った。
智が声をかけているとまた強い陣痛の波がきたのか、
俺の手を力いっぱい握ってくるA。
それに応えるように頭を撫でて俺もAに声をかける。
ミサト「おっ!そろそろ頭出そうだよー!頑張って息んでね。」
ミサトさんにアドバイスをもらったように頭をなるべく上げて、
お臍を見るようにして力いっぱい息み始めたAに精一杯のサポートをする。
A「ハァハァハァ…ハァハァ。…ハァハァハァ−。」
強く長く息んだから
なかなか呼吸が整わなくなったA。
それでも、強い陣痛は容赦なく襲ってくるみたいでAも何度も息もうとしている。
A「はっ、んんっっっ!!
…ハァ‥ハァ‥んっ!…ハァッハァ…ふぅ‥。」
漸く頭が出て流れるように体も出てきた赤ちゃん。
大きな産声を響かせてくれた。
雅紀「…ふっふえ!うわーんっ!」
潤の泣き声に驚いて
目が覚めた雅紀も大泣きした。
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作者名:莉乃 x他1人 | 作成日時:2017年8月23日 16時