【銀魂】【続】男装やめても一般人になれなかった件

第九十一訓 ページ43

足元がおぼつかないが、必死について行く。

…とりあえず、こちらを心配そうに見てくる晴太君が可愛いくて軽くご飯3杯はいけそうです。

というか、何で私も日輪さんに会いにいくことになってるんだろう。

そりゃあ、あれだけ慕われている人に会ってみたいという気持ちはあるけれど…

でも。

まず、私は吉原(ここ)に、店の壁を壊した男…またの名を破壊神を探しに来たわけで…


……あ、


『ぁあーーーッ！！』


私が突然叫んだせいか、晴太君は肩をビクつかせた。可愛い。

というか、大声出したせいで腹の傷が開いたのかすっごく腹が痛い。ガッデム。


「何？」

男が振り返りこちらを見てそう言う。


『あ…いや、何でもないです…すみません』

何か申し訳なくて謝った。


…って！それより！


そうだったよ！！私、すっかり忘れてたけど…


あの破壊神を追ってこの吉原桃源郷に来たんだった！！


うわぁー、あっぶな、危うく忘れる所だった…。


えーとえーと、あの男の特徴は…




…あー！包帯が印象的すぎて中々思い出せない！！

ダメだダメだ！諦めるな！ちゃんと思い出せ！！


確か…そう！黒いチャイナ服だった！それに白いマントのようなものを付けていて…

髪は…後ろにおさげで纏めていた。色は…橙っぽい感じで…

そうそう、目の前の男のような…

…んん？

あれ？

何か、記憶にある破壊神と目の前の男の後ろ姿…すごく似てるような…


『あああーーーーッッ！！』


再度叫ぶ私に晴太君はまたも肩をビクつかせる。


男は、顔を顰めさせてこちらを振り向き、口を開こうとする。

だが、私は男が何かを口にする前に、

『お前ぇぇ！！！』

と、叫んだ。

よくよく考えれば、目の前の男と破壊神は似てる所じゃない。完全一致する。

どうして気づかなかったんだろう。こいつが店の壁を壊した犯人だって！


『ここで会ったが百年目！壁の修理代、絶対に払ってもらうぞ！！』


ビシッと指を差し、そう言う。

…だが。

男…いや破壊神はそんな私にキョトン、とする。

…何その顔。

…まさか。
『憶えてない、なんて言わないよね…？』

私がそう言うと、破壊神は首を傾げた。

本当に、何もわからないようだ。

『…え…う、嘘でしょ！？私の顔よく見てよ！今日、団子屋で会ったじゃん！』

そう言うと、破壊神はこちらに近づく。

そして、私の顔をジッと見つめる。


…ま、まって

『近い近い近い！！』

顔を近づけてきた破壊神に思わずそう叫んだ。

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