【銀魂】【続】男装やめても一般人になれなかった件

第六十四訓 ページ16

『ふわぁ、ぁぁ…』


欠伸をし、机に伏せる。


いや〜、昨日寝るの遅くなったから眠いんだよね〜



「…おい、何居眠りこいてやがる」


『そんな…取り調べ中煙草吸ってる人に言われたくないですね』


机に顔を伏せたままそう返す。


いや、ホントに。


煙草吸ってる人見たら、やる気なくすわ〜



土方さん、流石に仕事中に煙草はないわ〜



副長のくせに、ないわ〜


「…あぁもう、わかったよ！！煙草吸わなきゃいんだろ、吸わなきゃ！！」



すると、土方さんは声を荒らげてそう言った。


その声に吃驚し、伏せていた顔をあげる。



『わ、どうしたんですかいきなり！？』


「全部口に出てたわボケ！！」


『そんなベタな……サーセン』



…土方さんの顔が恐ろしい。


恐ろしいほど怖い。



…煙草依存症なのかな…？



『でも、ホントに寝不足なんですよ。昨日の事件？のせいで』


「ンなこと知らんわ！！いいからさっさと情報を吐け！！」


『おぉ恐ろしやー……』









・









・









取り敢えず適当に、“自分の事でいっぱいいっぱいだった”とか、“フライパン振り回して逃げ回ってただけだった”とか言ってたら解放された。



…嘘は、言ってないよね…？(ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ



実際、逃げ回ってた…だけ、だし。



戦いには…巻き込まれただけ、だし。



…うん！大丈夫だ！！




そんなこと考えても仕方ないし！



終わった事は忘れよう！うん！



ポジティブシンキング！イエスアイキャンドゥーイット！！



そんなことを考えていると。



ドンッ


『あ、すみません！』


誰かとぶつかった。



「いや、こちらこそすまない。ちゃんと前を見てなかった」



…この声は、もしかして…



「ぉお、A殿ではないか」


『…ヅラ』



…小太郎だった。隣にはエリザベスもいる。



「ヅラじゃない、桂だ！！」


『いや、どう見てもヅラでしょ！？昨日の今日でそんなにのびるわけ…！！』



…そう。


小太郎の髪の長さは、すっかり元通りになっていたのだ。



これで地毛だったら、お前の毛根どうなってんだよ、と疑いたくなる。



「……ん？A殿、何故俺が昨日髪を切ったこと知っているのだ？」


いや、切ったんじゃなくて斬られたんでしょ…というツッコミを口にする前に、はたと気づく。


…そういえば昨日、小太郎に会ったのはポチであって…そもそも、私がいた事は小太郎、知らなくて…





『あ"あ"あ"あ"あ"あ"！！』

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