「いつ歩けないって言ったか」 ページ27
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「ヤコさん、大丈夫かな…?」
「ミサキ階段なら大丈夫だと思うさ。それよりヤシロ、自分自身の身を案じなよ?」
ヤシロは度々後ろを振り返りながら、ミサキ階段を心配していたが花子は心配ないとドンドン境界を突き進む。
「白杖代、早く依代を壊してくれるといいけど…」
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「わあ、綺麗…」
「なんつーか…クモ野郎とか狐とかの境界とは全然ちげぇ。賑やかだな!」
「うん、例えるなら鐘楼って所かな?」
そして地には境界特有で数ミリほど水が張っている。二番目境界の不気味さ、四番目境界の静けさとはまた違った雰囲気(どこも共通して薄暗いが…)。人は居ないのにも関わらず祭り騒ぎしている。
「きっと最深部に八番目いると思うから探そうか」
「あら、その必要は無いと思うわよ」
花子達が一歩踏み出そうとした瞬間、背後からおだやかな声が聞こえた。花子は咄嗟に彼女から距離を取り戦闘態勢をとった。
「あ、貴方は…柚くんの…!」
「既に私の事をご存知なのね。じゃあ、改めて自己紹介でもしようかしら…私は神無月結よ」
よろしくね、と綺麗にふわりと笑った。その笑顔に同じ女であるヤシロを頬を赤く染めるが、すぐに首を振ってギュッと拳を握った。
「ふふっ、そう邪険にしないほしいわ」
そう言って彼女は車椅子から立ち上がる。………え?立ち上がった…?
「なんで…貴方は歩けないはずじゃ…」
「嫌ね、いつ私が歩けないって言ったかしら?」
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のんのん - おっもしろいです!これからも応援してます! (2020年7月28日 19時) (レス) id: 7c57b8ea8a (このIDを非表示/違反報告)
クリパーランプ - 続きがすごく気になります(*≧∀≦*)コレからも更新等々頑張ってください!応援してます! (2019年1月5日 0時) (レス) id: 12fca75d2a (このIDを非表示/違反報告)
黒猫と影猫とお菓子。(プロフ) - 続き、ますか…?(期待の目) (2018年8月4日 22時) (レス) id: bf9c53bfd9 (このIDを非表示/違反報告)
翡?翠(プロフ) - はらさん» ご注意ありがとうございます。外し忘れてました…。すぐに外します。 (2018年5月2日 22時) (レス) id: 99ba1bed6a (このIDを非表示/違反報告)
はら - オリジナルフラグ外し忘れていますよー違反行為なのでちゃんと外して下さいねー (2018年5月2日 22時) (レス) id: 24eceefe57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘夏蜜柑 x他1人 | 作成日時:2018年5月2日 22時