〇 ページ8
.
場面は冒頭へ戻る
「もっとかまえ」
「え、ちょっ。義勇?」
「どうしたの、甘えたくなったの?」
「俺は、Aがすき」
だんだんと私の服が冷たくなって行く感触になる、ふと視線を下に移すと
「義勇、泣いてるの?!」
「おれ、おれはぁ」
あんまり義勇が酒に酔った姿は見たことがなかったが、まさかこんな展開になるとは
義勇は酔うと泣き上戸になるのか。
「よーしよしよし」
「おれ、Aがいるから」
「そうだな、私は義勇のこと嫌ってないよ」
「ぅん、きらわれてない」
そんなに嫌われることを気にしていたのか、なんだかこうして泣いている姿をみるとむしろ可愛く見えてきた
「Aのこと、すきなのに。いつも素直じゃないから、きらわれてるのかなって」
「そんなことない!だって私は義勇のこと好きだよ」
「ほんと?」
「ほんと」
「よかったぁ」と笑みを零した義勇はとても幼く見えて、安心した顔をしていた
義勇は小さい頃から沢山苦労をしすぎて、休む機会なんてなかったのかもしれない
だから、泣くことが義勇の自己防衛であるとしたら
「義勇はいつもかっこいいよ」
「あぁ」
「いつも惚れ直してる」
「あぁ」
その自己防衛は、止める必要なんてないんだ。
「A、」
「なに?」
潤んだ瞳が私を見つめる、いつもよりも火照った頬が色気を感じさせる
「俺は、Aの事すきだ」
「ふふ、知ってる」
「これからも、ずっと一緒にいてくれるか」
「ずっと」という、その言葉にどれだけの重みがあるか、義勇は知っている
いつ死ぬかわからない鬼殺隊員の命は、長くは続かない
それでも私は
「うん、ずっといるよ。」
この人と生きて生きたい。
「俺が、お前を好きになったこと。後悔はさせない」
私の頬に手を添える彼の瞳は、私を映している
そして、チュッと軽く唇を合わせると、義勇に頭を撫でられ
そのまま守るように、彼は私の身体を包み込んだ
私の頭は彼の手にすっぽりと埋まってしまった。
彼の素直さは、弱さでもある。
だからこそ人には見せられないし、隠そうとする
それを理解して、共に歩んでいくのが私の役目なのだろうと心の中になにか軽いものが落ちたような気がした
後日、家の外で盗み聞きしていた柱達が。私たちを毎日のように冷やかしに来たのはまた、別のお話。
1999人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
廣岡唯 - しのぶさん愛しているぞ村田さん大好きだ (2023年4月2日 15時) (レス) @page17 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
黒犬(プロフ) - kanaさん» はじめまして!こちらこそお読み下さりありがとうございます!きゅんきゅんしてくれて嬉しいです(*´`)最後の村田にこれからも癒されちゃってください! (2021年9月1日 21時) (レス) id: 43c30b8faa (このIDを非表示/違反報告)
黒犬(プロフ) - ぱーむくーへんさん» お粗末さまです!拙い文章をお読み下さりありがとうございました(*´`) (2021年9月1日 21時) (レス) id: 43c30b8faa (このIDを非表示/違反報告)
kana(プロフ) - 初めまして!^^*完結おめでとうございます!(*´-`*)どのお話もキュンキュンしました(/ω\*)最後の村田さん,イケメンすぎました!(/// ^///) (2021年4月26日 22時) (レス) id: d202a80bf0 (このIDを非表示/違反報告)
ぱーむくーへん - 村田さぁぁぁぁん!!!イケメンが過ぎる。しゅきってなりましたありがとうございますごちそうさまでした (2021年4月17日 15時) (レス) id: 4fbbe91aff (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:黒犬×96 | 作成日時:2020年3月19日 21時