酔った彼氏の本音【鬼滅の刃】【短編集】

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「我慢なんて、しなくていいのに」





ぼそっと呟いた言葉に、しのぶはゾクゾクと身体を震わせた

その言葉が引き金か、しのぶは期待するように私を見つめる




しのぶの胸元が少しはだけていて、髪も顔に引っ付いてすこし色っぽい


いつもはきちっとしているのに


今日はいつもよりも、色気があったんだ。




「いいんですか、我慢しなくて」
「いいよ、だってしのぶだもん」



「私、意外と欲が強いんですよ」
「知ってる」





「困ったAさん、私がAさんのことどれだけ好きかも知らないで。」





しのぶは長いまつ毛を伏せて、口角を上げる




「知ってるよ、だってわたしも、しのぶのこと好き」

「私はきっと、あなたの思ってるよりも百倍くらい貪欲なんですよ」




口角が上がりそうで抑えるようなしのぶの表情を初めて見た







「じゃあ、」






ゴクリと喉が鳴る、どんな要求をしてくるのか心臓がどきどき言ってる






「私と、添い寝して下さい」
「え、



それだけ？」



「Aさんと、一緒に寝たことなかったので…、ダメですか？」





押し倒されていた私は、潤んだしのぶの瞳がこぼれ落ちそうで


その目に魅了される





「添い寝くらい、いつでもしてあげるよ、しのぶ」

「ふふっ、嬉しいです、A。」






さっきからちょくちょく抜けているさん付けに胸がどくんと高鳴る




「もう一回名前呼んで！」
「Aさん」

「違うぅ！そうじゃない！」





そこから何度聞いてもさん付けだったけど





「しのぶ、ほら、布団にいくよ」
「はい、仕方ありませんね、歩いてあげます。」




甘えてくるしのぶはとても可愛かった。





「私の可愛いA、ずっと私のものですよ。」





小さくぼそっと呟かれた言葉が聞こえなくて





「なんか言った？」と聞き返すが





「なんでもありませんよ。」とそう言って






しのぶはさっきとはうってかわって、素敵な笑みを浮かべるだけだった。






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