【呪術廻戦】呪言師せんせーの憂鬱【男主】

10話 ページ13

A視点

「お、せんせー目覚めた？」

目が覚めると保健室にいた。

「すいません家入さん、ご迷惑をおかけしました。」

僕はお辞儀をしようとするが、まだ体が重く、上手く動かない。


いいよいいよ、面白いもん見れたし、と手をヒラヒラ振る家入さんに申し訳無さを感じる。


〜〜〜〜〜
「…領域展開、限定解除『言辭肉叢業(げんじししむらのごう)』…」

〜〜〜〜〜

僕はあの時領域展開を発動していた。

と言っても限定解除で、自分の体の中のみに絞っていたが。

僕は自分に「速く、重く攻撃し、回避しろ」と命令した。


この技を使うと僕の言葉は絶対命令になる。

今回の場合は、脳のリミッターを無理矢理外し、肺や筋力、骨を呪力で増強させ、神経をつなぎ直し全て脊髄反射に切り換えていたのだ。


しかし、無理矢理増強させた筋肉はひどく痛み、肺は破裂しそうで、骨は軋む様な反動を受ける。

もちろん呪言を使っているため、喉も張り裂けそうに痛かった。


「この場に家入さんがいて本当に良かった。」

ありがとうございます、とお礼を言うと、てかさぁせんせー、とニコニコ。

「子供いるのに五条にあんなことしてよかったの？」

ﾌﾞﾌｯ、と気休めに飲んでいたお茶を吹き出しそうになる。

「ああでもしないと、彼は油断してくれないと思いまして…。けれど完全に僕が悪いので訴えられたら終わりですよ。」


子供の方は大丈夫です。お嫁さんも彼女もいませんから。

へー、そーなんだ〜と依然としてニコニコしながらこちらを見つめる。


__あれ？そう言えば棘…、

「あぁ！！」

急に立ち上がった僕に家入はビクッと肩を揺らす。

「今！何時ですか！？」

「えっと、5時だけど…？」

まずい今日は午前で帰る予定だったのにッ！

棘は昼ごはん何か食べただろうか。僕を待ってたらどうしよう…。

「すいません、僕はこれで失礼しますね…！」


重い体を引きずり、急いで荷物を纏め、出ていこうとすると、足に小さな衝撃を感じる。

「めんたいこ！」

「棘！？」

「しゃけしゃけ！」

どうして…と聞くと、後から夜蛾先生が入って来て説明をくれる。

「棘がな、昼過ぎてお前が帰ってこないと電話してきたんだ。」

お前は棘が心配だろうし、ちょうど棘と同い年のパンダもいるし、任務もなかったんで、棘を預かってたんだ。

「しゃけ！」

胸を張って自慢げな顔をする棘を撫でる。

取り敢えず一安心だ。

ーーー
領域展開の名前考えてくれた友、感謝!

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