【旧バージョン】僕のクレイジーDAYS (ページ24)

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二人の嘘ページ24

一方、僕は未だに絨毯から立ち上がれずにいる。
格好悪い事この上ないから何とかしたいけど、腰が抜けてしまって立てないんだ！

すると、良い人ぶっている二人に声をかけられていたユウミさんが振り返り、不思議そうに僕を見た。
「あの……リーハさんは、どうなさったのですか？」

ユウミさん……よくぞ聞いてくださった。

だけどまさか、「そこの二人が殺し合いをしていて、飛んでいたナイフが怖くて腰が抜けてしまいました。」なんて事実をそのまま言うのは、ユウミさんの心臓にも悪いだろうから止めた。

代わりに「ちょっと、二人が喧嘩していて……僕、ビックリしちゃって……あはは。」と、色々オブラートに包んで誤魔化そうと僕が口を開こうとした瞬間。

リーフさんが「いや、彼は匍匐前進(ほふくぜんしん)というものを僕らに見せてくれましてね。」と言った。
シャーロックさんまでが、「何でも高校で、災害時の構えの一つとして教わったのだそうです。先週サマセットの方で地震があったでしょう？アレの事が話題になりましてね。」と嘘八百を並べる。
待って、ユウミさん！
「そうなんですね。」なんて納得しないで！

僕はよっぽど「違ーーーう！二人が殺し合いをしていて…」と本当の事を言ってしまおうかと思った。
それが出来なかったのは、僕を見る二人の目が全く笑っていなかったからだ。

on……
本当の事を言ったら多分死ぬね、これは。

その後も、僕が黙っているのを良いことに「ところが、匍匐前進(ほふくぜんしん)の実演中に、彼は絨毯につまづいて腰を捻ってしまいましてね。」「まぁ、若いから心配せずともすぐ治るでしょう。」なんて二人は言った。

するとユウミさんは、「まぁ！リーハさん、本当に大丈夫ですか？！あの、薬箱に湿布があるので私持ってきます！」と心配してくれた。

でも僕は腰が抜けただけなのだ。
いや、心に傷は負ってるけど。
「大丈夫です！あの、痛くはないんですが、ただちょっと立てないだけなので、大丈夫です…。」と言って、湿布は断った。

あーーーーもう！！
悪いのはリーフさんとシャーロックさんなのに、なんで僕がこんな目に遭わなきゃいけないんだ！

ユウミさんは尚も、「では、ここでリーハさんが食べられるように、小さなテーブルを持ってきましょうか？」と言ってくれる。

確かに、このままだとダイニングテーブルの椅子までたどり着ける気がしない。
僕はありがたくこの申し出を受けようと思った。