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007.''化身'' ページ8

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剣城が天馬にボールを渡す。天馬が剣城を見ると、挑発的な笑みを浮かべていた。
その目には確かに、嘲笑の色が浮かんでいる。



「やれよ。…さあ、来な!」



ボールを見つめていた天馬は、顔つきを変えて走り出した。すぐ様相手選手がボールを奪おうとするも、するりと交わしていく。だが、あっという間にゴール前まできたがゴールを狙う様子は無かった。

雷門メンバーがパスを要求してもドリブルを続けていく様子に、Aは1つの仮説が思い付く。
それと同時に、音無と久遠の会話が耳に入った。



「何をしているの…?」

「恐らくタイムアップまで…このまま、ボールをキープし続けるつもりだ。アイツはボールを相手に渡さず、味方への攻撃をさせないようにしている。」

(皆を、守ろうとしてくれてる…)



だが、黒の騎士団もそのままで終わるような奴らではない。気付いた時には、天馬は周りをぐるりと囲まれていた。
そして剣城が天馬の前へ歩いてくる。



「松風天馬…その目、気に食わねえ。
下らねえんだよ、サッカーなんて!!」



剣城はそのまま右手を掲げ、咆哮をあげる。
それに釣られるように彼の背中からは禍々しいものが浮かび上がりそれは徐々に具現化していく。
Aはそれを見てベンチから思わず立った。



(あれは…)



「これが俺の化身…''剣聖ランスロット''だ。」


「あれは…」
「化身…!?」
「まさか使える奴がいたのか!?」



正に騎士の姿を具現化した様な''化身''に驚愕の表情を浮かべる雷門。そして天馬。

だが雷門イレブンは、同時に剣城の化身に重ね、
別の何か(・・)を見ていた。

その間にも、化身を携えた剣城が天馬へ迫る。
呆気なく吹き飛ばされ音無が久遠にやめさせるように頼むも相手チームの監督が拒否した。



「監督…俺は大丈夫です、最後までやらせてください!」

「松風…」
「無茶だ、壊れてしまうぞ!」


「______最後まで、戦いたいんです!
最後まで…最後までやり抜けば、きっと道は見えてくる!」



何処までも失うことの無い意思に、Aは息を呑む。

だがその時、剣城がシュートを放ち、それは天馬の腹へ直撃した。神童が「松風!」と天馬へ駆け寄ると、天馬はボロボロになりながらも神童を見上げる。




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作者名:ちきんたつた | 作成日時:2024年10月5日 15時

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