36話 ページ4
轟 side
最初は、どちらかと言えば苦手だった。
苗字が。
入学したばっかりの時も、
［『ヒーロー、私そんなに好きじゃないし。』］
なんて、雄英に入った奴とは思えない事を言ったり、
個性把握テストでも、個性を使わなかったり。
恐らく、俺の中で嫌いな部類に入っていたと思う。
なのに、
関わりたくないとか言っていた俺らを守った。
オールマイトよりも多い脳無の相手をして、どんどんボロボロになっていくのに戦って。
凄いと思った。
純粋に、どうやったらああなれるのか疑問に思うと同時に、
羨望、嫉妬、称賛……そして恐怖を感じた。
何故、あんなに戦い慣れているのだろう。
何故、あんなに怪我をしても動けるのだろう。
何故、痛いはずなのに、俺らを助けた時に笑ったのだろう。
同じ人間なのかと思った。
本当は敵で、裏で手加減されてるんじゃないかとも思った。
でも、敵がいなくなって。
もう目も当てられないくらい怪我だらけなのに、俺らに個性を使って。
苗字が何の個性かは知らないが、傷が回復していった。
それで、少し微笑んだ後に倒れて。
慌てて支えたけれど、血はどんどん流れていき、体温も上がって行く。
警察の人たちに名前を呼ばれて、ハッとして。
氷結で氷を出して苗字を冷やしていたら、
微かに、目を開いたんだ。
［轟「……苗字？」
『…………と…どろき……くん…？』
轟「‼︎」
『……ぁ…りがと…う……』ﾌﾆｬｯ］
あの時、自分の中で何かが変わった。
詳しくは分からない。
ただ＿＿＿
初めて見た、綺麗な髪と瞳。
ふわりと、嬉しそうに微笑む顔。
もっと、知りたいと思った。
もっと、仲良くなりたいと思った。
病院で、何日も目を覚さなかった時は生きているのか何度も不安になった。
相澤先生は、俺の個性が苗字がいきなり発熱しても対応しやすいと考えたのか、傍にいてやれと言ってくれた。
苗字が、何を背負っているのかも、何であんなに怯えているのかも分からない。
だけど、
傍にいて、支えてあげたいと思った。
……苗字が病院で眠っている時に、一度だけ制服の袖を摘まれていた事があって。
何故か分からないけれど、心臓あたりがドクドクしてうるさくなって、顔が暑くなった。
………なあ、苗字。いつかは、お前を名前と呼べるようになるまで、仲良くなってやるからな
轟 side end
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猫のお餅( ･ω･ )(プロフ) - 月夜/sayyさん» ｵﾜ…ありがとうございます…リメイクの筆すら止まっているというのにコメントをくださるとは……頑張ります！ (8月11日 15時) (
レス) id: 8589ce5026 (このIDを非表示/違反報告)
月夜/sayy(プロフ) - 初めまして！一気読みしました！めちゃくちゃ面白かったです！続き楽しみにしてます、体に気をつけて頑張って下さい！ (8月11日 0時) (レス) @page29 id: 5ead7b8e7d (このIDを非表示/違反報告)
猫のお餅( ･ω･ )(プロフ) - くりーむちーずさん» ありがとうございます‼︎最近別の会話にハマってしまい全然更新できていませんが、ゆっくりと更新していこうと思うので応援よろしくお願いします！ (2022年12月27日 21時) (レス) @page26 id: 59126206cb (このIDを非表示/違反報告)
くりーむちーず - 一気読みしました！36話の轟サイドのところ、ありきたりで直球な言葉とかなくて、どんどん変化していく心境がちゃんと順を追って書いてあって、しかも最後の言葉がめっちゃ心に刺さりました…これからも頑張ってください٩(^‿^)۶この作品大好きです (2022年12月27日 21時) (レス) @page4 id: a8e0346b4e (このIDを非表示/違反報告)
月及派(プロフ) - すみませんお手数をお掛けします (2022年9月5日 20時) (レス) id: 2aae637588 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫のお餅┏( .-. ┏ ) ┓ | 作者ホームページ：なし
作成日時：2022年8月2日 15時
