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裕翔side



「まあ、にわかには信じられない話ですよね。」


本当にその通りだ。

今こうして冷静に説明しているのが不思議なくらい。


「さっきの話の続きをしますね。」

「……はい。」


「移った傷がある時は感情が不安定な状態になって……。」

「なるほど……。」


手首を切るような仕草をすると、察してくれたようだ。

あまりそのことを口にしたくない。


「中島は、保健室の先生として学校に行ってもらいますから何かあったら連れて行って下さい。」

「分かった。中島先生、よろしくお願いします。」


深々と頭を下げる櫻井先生を見て、慌てて俺も

「よろしくお願いします。」

と言って頭を下げた。


「岡本〜」

二宮先生に呼ばれ圭人と……警戒しまくりの涼介がこっちの部屋に戻ってきた。


「涼介、少し櫻井先生と私とお話しましょう。」

「……うん。」


「中島、岡本は大貴くん達の所へ。」

「はい!」


どんな会話が繰り広げられるのか、少し……いや、かなり気になるがここは我慢するしかない。


「まって、知念も一緒がいい。」

「……。」

「……じゃないと嫌。」


二宮先生が折れ、侑李くんも一緒に話すらしい。


二宮先生がいるとはいえ、1人だと不安だろう。

学校の先生にトラウマがあるのだから。

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作者名:赤兎 | 作成日時:2019年10月13日 23時

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