・ ページ17
大貴side
「学校行くの怖いけど、知念や大貴お兄ちゃんと一緒に登校するの楽しいから。」
……可愛い。
中島先生が副担任になったことは、まだ内緒にしておこうかな。
俺も、薮先生から聞いたとき嫌だなと正直思ったし。
知念なんて、もっと嫌だろうな。
「このココアおいし……。」
「あったり前じゃん!僕が魔法かけたから。」
知念も……可愛い。
きっと、僕はなにも出来ないとか思っているだろうけど知念からでる温かい雰囲気に救われている部分もある。
……あとで言ってあげようかな。
「薮先生とちゃんと話してみる。」
「うん。」
「明日言っておくね。」
確か、明日は……二宮先生たちが家に来るんだっけ?
もちろん俺は一緒にいてあげられないけど。
今日のこと、連絡しておこ。
「もう大丈夫、スッキリした。……ありがと。」
やっぱり、少し無理させちゃっているのかな……。
本当にスッキリしたげな顔をしているけど、大雨だったのが小雨に変わっただけな感じ。
「大貴お兄ちゃん、先お風呂入っていい?」
「いいよ。」
「ありがとう。じゃあ……。」
涼介が部屋から出ていった瞬間ため息をつく知念。
「なんか……まだ何かあるよ。」
やっぱり知念も思っていたか。
きっとまだ届かない。俺たちの思いは、涼介に。
241人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:赤兎 | 作成日時:2019年10月13日 23時