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櫻井side
保健室に登校はしているものの、1度も教室に入らない日々が続いた。
心身共にもう大丈夫らしいが……。
ニノは「少しは周りの人とコミニュケーションをとってほしい。」って言っていた。
涼介くんのことは、まだよく分からないけど向き合いたいな……。
少しでもいいから心を開いてくれたら良いなと願いながら、今日も保健室へ行く。
「失礼しま〜す。」
「櫻井先生……?どうして?」
侑李くんは、いつも少し口角を上げてペコッと会釈をしてくれる。
だが、今日は驚いた表情を見せた。
「なんで?」
「今日の昼休みに、先生が分からない所を教えてやるって……」
「……あ」
侑李くんの言う通り、分からない所があるという生徒のために勉強を教える約束をしていた。
涼介くんのことばかりで、すっかり忘れていた。
担任失格だな……。
急いで保健室を出て、教室へ行く。
「ごめん、遅れた!」
「やっと来た〜。」
「先生遅いよ〜。」
ほとんどの子が笑っているが、1人違う目をしている子がいた。
気になりつつも、1人ずつ分からない所を教えてあげる。
次は、さっき少し気になった子だ。
こちらを睨みつけながら、口を開いた。
「先生、涼介っていう子の所に行ってたでしょ。」
「えっ?ああ……」
「その子ばかりかまって……贔屓じゃん。」
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作者名:赤兎 | 作成日時:2019年10月13日 23時