恋に慕う＿＿【hidaka,ukisho】

34 hidaka Side ページ34

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”俺から、もう逃げないで”




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……言ってしまった。
付き合ってない女の子に結構攻めた事いっちゃったよ。
いや、でもアレは暁が悪い。うん、だって可愛すぎるし。
いやさ、あれは可愛すぎたくない？うん可愛かった。




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あのあとフルーツ飴を食べに2人で行って
みんなを探してる最中に花火が始まって
2人で花火を見た。
花火に照らされている彼女の横顔はとても綺麗で。
彩度も質感もそのままで、鮮明に。
俺の頭の中に冷凍保存した。

心配だったから家まで送って。
バイバイする時の”浮所くんまたね”が最高に可愛かった。




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「そろそろ素直になる気になった？」




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新学期。
長い長い夏休みも終わった。
長かった。だって火曜日と木曜日しか
暁に会えないんだもん。さみしいじゃん。

そして目の前でしゃがみ込み机に両腕を付いてる那須。




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『んー？なにが？』

「暁ちゃんにさ」




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”モタモタしちゃうと俺取っちゃうよー？”と
悪戯に笑う那須。そういえば”暁さん”から”暁ちゃん”に変わった。




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「もともと浮所の好きな子って見てたけど可愛いよね」

『努力してんだよ』

「へえ詳しいね」

『お前よりはな』




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那須のいつも上手で余裕があって
そんなところが時々鼻に着く。

でもきっと俺が本気出すための事だと思うと
那須にはつくづくお見通しで感謝しなくちゃならない。




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『ありがとな、』

「は、なんだよ、今日だけだぞ」




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きっと那須とは今後もずっとずーっと
この関係で居たいと思うんだ。
本人には言えないけどね。




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(2人とも〜！体育祭何出るか決めた？)




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そして大森とも。
大森の俺に対する気持ちに気付いているけど、
気づかないフリをしてこのまま立ち去るのが安パイ。
暁にも言った通り、俺ももう逃げないって決めたから。

なんだかんだで自信なさすぎる俺、かっこわりぃー




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(飛貴くん足早いんだしリレーとかは？)

『リレーか〜』

「浮所は借物競争でしょ」

『なんでだよ』

(っぽい！ぽい！飛貴くん借物競争っぽい！)

「ぽいよね！？」

『だからなんでだよ！』




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結局、2人の押しに負け借物競争に出ることになった。
1年の時はサボってたけど、今年はちゃんど出ようと思う。
暁は何にでるんだろう。あーこんな事考えちゃうとかしっかり恋してる。
俺って結構沼るタイプだったっけ？

自分が自分じゃなくなるみたいな。そんな感じ。




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