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タイムリミットはもう過ぎた。
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教室の窓側。1番前の席。
聞こえるのはグラウンドから聞こえる騒がしい声。
体育の授業をしているのだろうか。
あ、今日 体育の授業あったっけ。
カラっと晴れた天気のわりに少し蒸し暑い6月。
衣替えはまだだから、ブレザーを着てきたけれど
今日は着なくてもいいかな、
蒸し暑いと前髪がうねるから好きじゃない、
なんて呑気な事を考えていた。
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(はい、しゅーりょー)
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チャイムと共にかかった先生の声。
数学の小テスト。真美ちゃんが言った通りちゃんとあった。
どうやら夢であってほしかったと願う私の気持ちは
届かなかったみたい。
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先生はこの時間なにをして過ごすのだろうか。
蒸し暑いのにスーツなんか着て、
かけている眼鏡は伊達眼鏡って事本当は知ってるんだから。
この前、眼鏡をかけてないのに車を運転してるところ見たもんね。
と、脅しをかけたら小テストの居残りは無くなったりしないかな〜
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(暁)
「はい、」
(この時間なにしてた?)
「すみません…」
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1番前の席ってほんと嫌。すぐ先生に見つかるし。
1番前は先生の目線が落ちにくいってどこかで聞いたのに。
全然違うじゃんか。
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「あー。この感じだと、居残り確定?」
「おっしゃる通りです」
「ほんとAって勉強は壊滅的だよね」
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”美容には詳しいのに”と後に告げた。
そう、私は自慢じゃないけど勉強が壊滅的にできない。
中学3年生から今の今まで、可愛くなる努力しかしてこなかったから
残念ながら勉強とは無縁で過ごしてきた。
そんなツケが回ってきたのか。
最近は大学受験だのなんだので数学に限らず
抜き打ちで小テストをしたりする。
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その都度、普段から勉強してない私は
こうやって居残りさせられたりするんだ。
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Shiro.(プロフ) - 梨乃さん» 感想ありがとうございます!励みになります、うれしいです!!! (4月10日 11時) (レス) id: 5a97038d8f (このIDを非表示/違反報告)
梨乃(プロフ) - ものすごくキュンキュンしました!続きが楽しみです^_^ (4月8日 8時) (レス) @page36 id: 5cceb5056f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Shiro. | 作成日時:2024年2月26日 22時