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きっかけは、きっとほんとに他愛もなくて。
火曜日と木曜日、私と彼との約束事。
それが、吊り橋効果と言われてしまえば
そうなのかもしれないけど加速する想い止まらない。
中学生ぶりの恋愛。
ああ、どんな感じだったっけ？
こういう時、恋する女の子はどうするの？
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「ッあ、」
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放課後、教室を出て角を左に曲がった時
浮所くんと目が合う。
いつも通り女の子に囲まれている彼を見て
すぐに逸らした。
恋って言葉も認めたくないくらい、
その現状を見ては無理ゲーだと先が思いやられる。
ついさっき��勇気出す��って言ったばかりなのに。
やっぱり私は、すぐへこたれてしまう。
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1番最初に目を逸らしたのは私。
すれ違った後、すぐに振り返り
遠くからチラッと見る。
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「はあ」
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自分のナヨナヨさに、ため息が出る。
いつも聞いていたアイドルソングも今日はかけず
イヤフォンを付けているだけで電車を乗り継ぐ。
恋っていう書き方は教わっても
恋の仕方は教えてもらわなかった。
誰か講座開いてください…。
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「ん？」
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電車を降りてすぐ。
黒いTシャツに黒いバケットハット。
黒いスキニーパンツに白スニーカー。
そこそこの高身長にガタイの良い体。
なぜか目に入って、男の人と目が合う。
私を見て、あからさまに目を逸らして
体ごと反対方向を見る姿に怪しさを覚えた。
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不思議に思いながらも改札を通って駅を出る。
家まで向かう道中、私と同じ歩幅で歩く足音。
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「え？」
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振り返ったら駅で見た男の人。
ゾワゾワっと背中が震えた。
え、なんで？どうして？……たまたま同じ道？
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恐怖で足取りが早くなる。
早く家に帰らなきゃ、！
…でも帰ったら、家がバレちゃう？
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「どうしよう…」
(あの、)
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いつの間に歩いてきたのか、瞬間移動したのか。
後ろから低い声で話かけられる。驚いて後ざすりする。
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「は、はい」
(いつもここら辺ウォーキングしてるの知ってます)
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��かわいいですね��と微笑む姿に
心の底からの不快な気持ちにかられる。
ヤバい…
当たり障りもない相槌をうって、
とっさで走る。
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(あ！)
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果たして男の人に勝てるのかどうか。
どうしようどうしよう。
あの人に捕まったら、私どうなっちゃうの！？
私の人生ってこんなもん！？
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Shiro.(プロフ) - 梨乃さん» 感想ありがとうございます！励みになります、うれしいです！！！ (4月10日 11時) (
レス) id: 5a97038d8f (このIDを非表示/違反報告)
梨乃(プロフ) - ものすごくキュンキュンしました！続きが楽しみです^_^ (4月8日 8時) (レス) @page36 id: 5cceb5056f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Shiro.
| 作成日時：2024年2月26日 22時
