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試してしがみついて縋っていなきゃ
終わるような関係なんてすぐ壊れるから。
…そんなことする必要なんてないのにね。
気持ちが釣り合わなきゃ、
恋愛ってやっていけないって分かってる。
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「最近上の空だよね、」
「なんかAらしくないぞ」
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教室の1番前、1番窓側の席。
頬杖をついていると、どこからか視界に入ってきた
真美ちゃんとなあくん。
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気持ちに気づく前にやめよう、と思った恋心を
どこにぶつけたらいいのか分からず
毎朝のウォーキングの距離を増やしてみたり。
だけど不思議な事に、真美ちゃんとなあくんの顔を見たら
安心してつい、涙目になってしまう。
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「うぅ、真美ちゃん、なあくん〜〜〜」
「わわ!どした!?」
「話聞くよ?」
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自分の事を話すのはとても勇気が必要で。
否定されたらどうしよう、と思う私の気持ちも
全部受け止めてくれるかのように一つ一つお話を聞いて
相づちを打ってくれる2人が優しくて包容力で嬉しかった。
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「なるほどね…」
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あの日以来、私がノートにメモして以来会っていない。
…というより、火曜日と木曜日は遠回りして遅く帰ってる。
今は合わせる顔が無いから。どんな顔して会ったらいいか分からないから。
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「ん、まってまって。おれ話読めてないんだけどー?」
「A、それは恋だよ」
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”ね!”となあくんに同意を求める真美ちゃんに頷くなあくん。
……恋なんてしたくなかったな。
まだ自分に自信がないのに、どうして恋心が芽生える方は早いんだろう。
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「でもその、大森優実ちゃん、ちょっと厄介だね」
「浮所くん女の子をとっかえひっかえしてるって聞くし」
「え!?そうなの!?浮所が?」
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まるで自分のことのように頭を悩ませてくれる2人。
私は本当にいい友達を持った。
今すぐ抱きしめて私から賞をあげたい。友達賞的な。
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「浮所、ああ見えて明るいし人懐っこいからそんなイメージないけどな」
「へぇ、浮所くんってクールだと思ってた」
「顔がいいからね、黙ってるとそう見えるよね」
「喋ったらダメ的な?」
「俺はそこまでいってない」
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好きだとか、本気だとか、恋だとか。
私が私の気持ちをそう決める前に私は浮所くんの事、
なにも知らない…。誕生日とか好きな食べ物とか。
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「わたし、勇気出してみる!」
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ためらう私に、勇気をください。
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Shiro.(プロフ) - 梨乃さん» 感想ありがとうございます!励みになります、うれしいです!!! (4月10日 11時) (レス) id: 5a97038d8f (このIDを非表示/違反報告)
梨乃(プロフ) - ものすごくキュンキュンしました!続きが楽しみです^_^ (4月8日 8時) (レス) @page36 id: 5cceb5056f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Shiro. | 作成日時:2024年2月26日 22時