狗巻君、聞こえてます。【 狗巻棘 】《完結》

２３話 ページ23

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『余計な事言っちゃったかなぁ』






自分の部屋のベッドの枕に顔をうずくめる。

本当のことを伝えると、狗巻君は、…。








顔を真っ赤にして、おかかッ！と叫んで部屋を出て行ってしまった。



それから避けられているのだろう。







あれから私達は話さなくなった。

会っても避けられるし、話しかけようとしても逃げられるわで…。







本当に私、余計な事言ったかも。









カサッ、







その途端、小さな紙の音が聞こえた。

ドアの方から聞こえる。







気になって見に行くと、ドアの間に折り畳まれた紙が挟まっていた。









『紙……、？』





私はそれを取り、開いた。

その紙には細い綺麗な字で








「初対面の時から好きです」






と書かれていた。









そして少し下に小さな字で



「知ってるかもだけど、一目惚れだった」

「正直に話してくれてありがとう」






と書かれていた。







＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿狗巻君だ。

本人の字を見たわけじゃない。





はたまた、書いているところすらも見ていない。









でも、分かる。

これは確実に狗巻君だ。









まぁ、内容的に。









　


私はいつの間にか紙を持って部屋を出ていた。

目的は、そう、狗巻君を探すため。





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