好きなのに。【狗巻棘】《完結》

２４話 ページ25

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長い沈黙が流れる。








『えっと、……何処に行きます？？』









「……おかか」









狗巻先輩が足を止める。

ここで話そう、という意味だろうか。





別にいいけど、座る場所ないよ？？









『座る場所ないですよ？』





「しゃけ、」








それでもいいって事は、

すぐ終わる話なのだろうか。









『分かりました、良いですよ！！』








ドーンと来い、という顔をしていたのだろうか。

狗巻先輩が静かに「クス、」と笑った。









え、笑った。

顔面偏差値壊れてない？？









『何の話します？？』








私がそう問いかけても尚、狗巻先輩はスルー。

えっと、これはなんという沈黙なのでしょう。







私は黙ってることしか出来なかった。









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「………………A」







『えっ、』





今、私の名前……。









「…………………………好、き、…だよ、」







『えっ、』









私の頭がフリーズしてしまっている。









冗談？？なんて思いつつも、狗巻先輩の耳は真っ赤になっている。

まず、狗巻先輩の事だし、冗談で「好き」は言わないと思う。







なんていう自分の考えなんだけど。









『冗談じゃないですよね？？』








「しゃけ、」









『私も、……狗巻先輩が好きですよ、』






「おかか、」









えっ、それは又もや何の否定！？！？


なんてアワアワしていると、ピコンッ、とスマホが鳴った。









棘先生は名前呼びなのずるいから、名前で呼んで









『…………呼んでいいんですか？』





「しゃけ、…………」









呼んでいいなんて思ってもみなかった。

嫌われていると思ってたのに。









『…………棘、先輩…、』







「しゃけッ！！」









あんなに冷たかった視線も、今はこんなに美しい目線となっている。







『でも、狗巻先輩ッ！！』


「おかかッ！！」








あっ、はい、１回じゃダメなのね。




『棘先輩…………あ、あんなに冷たい視線だったのは…何故、ですか？』









「ツナ、いくら、明太子」



『……わかんないです』









棘Aが可愛くて、本当に自我が保てなくて頑張って耐えてた





『まさかですけど、先輩ってオタク要素あります？？』






「……！？おかかッ！！」


ですよね〜。





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