Ep.57 ページ14
あの時私が遺体のあった部屋の位置がわかったのは、残穢が残っていたからだった。時間の経過で薄くなってはいたけれど、呪いの残穢が一際濃く残っていた。
殺人現場に対する人の負の感情が生み出した呪いの残穢だろうと……そう思ったけど。
まさか。
まさか、違った?
私は誰かに、特にコナン君にバレないように、持ってきていたトートバッグの中に手を突っ込んで、携帯を探り当てた。その携帯を感覚に頼って操作し、
無事に送信したことを、時間を見るふりをして確認して、私は"まさか"の可能性が現実でないことを願った。
事件の犯人は未だ不明、後日事情聴取を、と私は比較的すぐに開放してもらえた。
目立たないよう建物の影に止まった車に、急いで乗り込んだ。
「三上さん、どう!?何かわかった?」
「警視庁の窓には連絡とりました。あとは情報が送られてくるのを待つだけです」
私が連絡した彼女……補助監督の三上さんは、窓との情報交換を行うことを主な仕事にしており、警視庁にいる窓との連絡手段を直で持っている。
私が彼女に送ったメールは、警視庁の窓に連絡して、最近刑事課が追ってる怪死事件について教えてほしい、ということだった。
双方の現場に残っていた残穢。私の"まさか"の予測が正しいとすれば、それが示すは、これら一連の事件の殺人が全て
あーもう、なんで気づかなかったかな。
唯一の気がかりは、前回の事件現場の残穢が、先ほど見た残穢とは別物のように見えたことけれど……今考えるのはよそう。
私は、先程軽く受けた事情聴取の中の雑談で、高木刑事が口を滑らせたことを思い出した。
「刑事さんの人数、前より少ないですね。皆さん疲れてらっしゃるようですし……」
「そうなんですよ!実はついさっきも別の怪死の通報がはいりまして……なんでも遺体の上半身だけが残ってる遺体だとか。そちらに人員を割いて、刑事課は今てんてこまいですよ。それに最近、爆弾予告が警視庁に送られてきたりして」
「あーじゃあ陣ぺ……松田刑事はそちらの捜査に参加しているんですね」
「はい。松田さんがいるだけで、事件の解決スピードは二倍になるんですけどね……」
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やなり(プロフ) - トマトまとさん» 温かいお言葉をありがとうございます!(T-T) 拙作を好きだと言っていただけて本当にうれしいですし、トマトまと様をときめかせることができたようで良かったです(*^ω^*) こちらこそ、最後まで読んでいただきありがとうございました! (2022年12月13日 14時) (レス) @page28 id: 38128c49d7 (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!最終話を読んで、裏設定を読んで、更にこの作品が好きになりました。愛っていいなぁと思うお話で、キュンキュンしながら読ませていただきました。素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございました! (2022年12月11日 13時) (レス) id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
やなり(プロフ) - 愛実さん» お待たせしました!!最終話を更新いたしました。楽しんでいただけたらうれしいですm(_ _)m (2022年12月11日 11時) (レス) id: 38128c49d7 (このIDを非表示/違反報告)
やなり(プロフ) - そらさん» ありがとうございます!大変遅らせながら、最終話を更新しました。楽しんでいただけたらうれしいです(*´꒳`*) (2022年12月11日 11時) (レス) id: 38128c49d7 (このIDを非表示/違反報告)
愛実 - めちゃ続き気になる…、!!!更新待ってます!!無理しない程度で頑張ってくださいッ! (2022年10月6日 18時) (レス) @page23 id: e769ed5532 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やなり | 作成日時:2022年8月4日 14時