Ep.56「誰がために」 ページ13
どうも宮下Aです。
単独で
「コナンくん……どうして君はいつも事件現場にいるの……?」
「あはは……偶々だよ偶々」
流石に朝から事件に遭遇することはないと思っていたのだが、流石米花町。そんな常識が通じるわけもなければ、私の切なる願いが届くはずもなかったのである。くそぅ。今日は午後から半休だったはずなのに!!
そして現場には当たり前のようにいる名探偵毛利小五郎似のおじさんとコナン少年。
コナン君は一体どれだけ事件に巻き込まれてるのよ。怖くて聞けないけどさ。
現場は雑草が自由奔放に生えている空き地だった。
黄色いテープが貼られ、その向こうに少しだけ野次馬達。パトカーが赤いサイレンを回転させている。
……陣平くんの姿はなくて、少しだけ安心していた。
そんな中、なぜかコナンくんは私の隣に陣取って、なぜか事件の概要を話し始めた。守秘義務は?
「…………っていう感じなんだ。被害者の共通点は、酷い殺され方をされてることと、人気のない……曰く付きみたいな場所で殺されていることくらいしか、未だに分かってない。なのに、どんどん事件のスパンが短くなってきている。早くどうにかしないと」
「……そうだね」
この子はどうして、当事者でもましてや警察関係者でもないのに、こんなに切羽詰まった様子でいるのだろうか。
……というか、なぜ私に話した?
「私に言われても……何もできないんだけどなぁ」
「あーでも、Aさん松田刑事と幼馴染みなんでしょ?」
「だからって何ができるわけでもないよ」
「そうかなー」と少々わざとらしく言ったコナン君に苦笑いを返して、私は現場を見渡した。
そして……気づいた。
―――残穢。
思わず目を見開く。
濃い。とても、濃い残穢だった。
なんで気づかなかったんだろう。
まるで、少し前までここに何かがいたかのような。
………まさか。
最悪の可能性が頭をよぎる。
一般人からしたら何もない虚空を見て固まった私が、まぁ単に不審だったのだろう。コナンくんが私を見上げて「Aさん?どうかしたの?」と問う。
その声は、もはや私の耳に届かなかった。
私が思い出したのは、コナン君と事件現場のビルに入った時のこと。
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やなり(プロフ) - トマトまとさん» 温かいお言葉をありがとうございます!(T-T) 拙作を好きだと言っていただけて本当にうれしいですし、トマトまと様をときめかせることができたようで良かったです(*^ω^*) こちらこそ、最後まで読んでいただきありがとうございました! (2022年12月13日 14時) (レス) @page28 id: 38128c49d7 (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!最終話を読んで、裏設定を読んで、更にこの作品が好きになりました。愛っていいなぁと思うお話で、キュンキュンしながら読ませていただきました。素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございました! (2022年12月11日 13時) (レス) id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
やなり(プロフ) - 愛実さん» お待たせしました!!最終話を更新いたしました。楽しんでいただけたらうれしいですm(_ _)m (2022年12月11日 11時) (レス) id: 38128c49d7 (このIDを非表示/違反報告)
やなり(プロフ) - そらさん» ありがとうございます!大変遅らせながら、最終話を更新しました。楽しんでいただけたらうれしいです(*´꒳`*) (2022年12月11日 11時) (レス) id: 38128c49d7 (このIDを非表示/違反報告)
愛実 - めちゃ続き気になる…、!!!更新待ってます!!無理しない程度で頑張ってくださいッ! (2022年10月6日 18時) (レス) @page23 id: e769ed5532 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やなり | 作成日時:2022年8月4日 14時