雪男の、もう1人の末っ子の話 7 (ページ8)

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食育担当(赤) ページ8

【阿部side】

宮「ゆきくん。」

「‥‥〈目を逸らす〉」

今、家にいるのは俺、舘さん、ゆきくんの3人。
といっても、元々いたのはゆきくんだけで、俺と舘さんはさっき帰ってきたんだけど。
冷蔵庫を覗きに行っていた舘さんが少し顔を顰めてキッチンから出て来て、
仕事に向かう準備をしながら部屋から出てきたゆきくんを呼び止めた。

宮「タイミングずれたのもあるだろうけど、ゆきくん、お昼食べてないよね？」

「‥‥別に、‥‥夕方から仕事で出るみたいだし、いっかなって。」

宮「ゆきくん？？」

「‥‥‥‥。」

宮「照とラウールから聞いてるよ？？また体重落ちてるんでしょ。」

「誤差だよ。」

宮「1キロ以上の減少は誤差とは言いません。」

『1キロ？！‥‥あ、ごめん。』

宮「‥‥そう言うけど、阿部も標準痩せすぎだからね？」

『あ。』

気になって、聞き耳を立てていたら、驚く内容が聞こえてきて。
思わず反応しちゃったら、俺の方にも飛び火して、2人揃って舘さんから目を逸らす。

一緒に住む様になって、食事の担当は大体舘さんになった。
もちろん、他のメンバー(ふっかと翔太以外)がやることもあるけど、
やっぱり中心は舘さん。スイーツ系はゆきくんも結構な頻度だけど。
で、その結果何が起こったかと言うと、メンバーの食育担当も舘さんになった。
特にゆきくん。ゆきくんは好き嫌い少なくはないけど、基本的に出されたものは食べる。
けど、今日みたいに、家に1人だったり、
誰にも言われなければ、平気でご飯抜いたりするから。

宮「‥‥まぁ、痩せてはいるけど‥‥今回はまぁ、阿部はともかく。
　ゆきくんは、明らかに体重減ってるのに、ご飯抜くのはどうかと思うよ？」

「‥‥はぁい‥‥。」

宮「‥‥今は‥‥もう時間無いからしょうがないけど、
　夜、準備しておくから。帰ってきたら食べるように。」

「はぁい‥‥。行ってきまぁす‥‥。」

『いってらっしゃい。』

舘さんのお説教で、ちょっぴりテンションが落ちたゆきくんを見送った。