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裕「……話したいことって何?」
公園の外の小さなベンチに腰をかけ、
先に口を開いたのは裕翔
こっちを見ることも無く、
ただ俯いたまま
もう俺達は恋人なんかじゃない、って
破ることの出来ない壁を置かれている
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あ「私に隠してること、教えて。」
それでも裕翔の表情は変わらない
裕「………………………」
ずっと俯いたまま
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私は裕翔の目線に合わせるように
前にしゃがみ込んだ
あ「知りたいの。」
すると裕翔は私の視線から逃れるように、
裕「なに、俺が振ったから…?理由教えてって?」
あ「そうじゃなくて…っ」
裕「はは…もう別れたんだからさ、俺の事いちいち気にしなくていいから、俺だって自由になりたいんだよ」
乾いた笑いを浮かべながら、
声を震わせてそういった
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裕「……………もうほっといてくれ。」
掠れた声で、
呟いた
拒絶されたような気分だった
この一言だけで胸が痛くなって
心が折れそうになって
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涼介達はこんなのよりももっと酷い思いをしてたんだ、
ずっとずっと、
だれかに拒絶され、
辛さなんか計り知れない
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だから、
私が辛さから解放してあげたい
ぎゅっと目を瞑って、
もう一度彼の視線に合わせるように、
体をこちらに振り向かせた
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あ「…………これを見ても?」
首元の絆創膏をゆっくりと剥がし、
痛々しい噛み跡を見せる
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裕「……………………っ、なんで…っ?」
裕翔は目を見開き、
私の噛み跡を人差し指でそっと撫で、
初めて私の目を見た
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涼乃(プロフ) - ほのさん» ほのさんありがとうございます!完結まであとちょっとですので是非最後までお付き合いください!! (2021年3月4日 0時) (レス) id: d580f0ae08 (このIDを非表示/違反報告)
ほの(プロフ) - 続きがきになります、続編たのしみ!!! (2021年3月3日 23時) (レス) id: 9be55037a1 (このIDを非表示/違反報告)
涼乃(プロフ) - れっしーさん» れっしーさんありがとうございます!!完結までお付き合い頂けたら嬉しいです(;;) (2021年3月3日 9時) (レス) id: d580f0ae08 (このIDを非表示/違反報告)
れっしー - とても面白いです!これからも頑張ってください! (2021年3月1日 16時) (レス) id: aa496b1864 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涼乃 | 作成日時:2021年2月15日 22時