優しさ毛布 ページ37
10、優しさ毛布
side勇吾
風呂上がり、髪を拭きながら自室へ戻ると我が物顔でベッドにうつ伏せになって漫画を読んでいる奴がいた。
「あ、おかえり」
「それ俺もまだ読んでないんだけど」
「そうなの？」
「昨日買ったやつ」
「朗読してあげよっか」
「バカやめろ」
「んふふっ」
やたらと機嫌の良い宏光に頬が緩んでいくのを感じる。
ねぇねぇ来てと甘えたな声を出す恋人が可愛くて言う通りに目の前に座った。
「髪乾かしてあげる」
「は？…いいよ別に」
「いいからいいから。俺上手いよ〜」
上手いのは知っている。
何だかんだでたまにこうやって俺の髪を乾かしたがるから、拒否するそぶりを見せるのはほんの最初だけで毎回身を任せてしまう。
全体をわしゃわしゃと乾かした後はブローで丁寧に整えながら乾かす仕草は大切にされている心地がして気分がいい。
目を見ると嬉しそうに微笑み返す表情は、愛されているんだと実感できる。
「はい、終わり〜」
ふわふわになったねと乾かしたての俺の髪を満足そうに梳いている。
ジッと見つめていると、ん？と不思議そうに首を傾げ、なぁにと目を細める。
何だか途端に愛おしいという感情が込み上げて、目の前の身体を優しく腕の中に閉じ込める。
「んふふ…どうしたー？」
「……」
「ははーん、さてはみっくんに甘えたいんだな？
もぉ、しょーがないなぁ」
甘えたい…、俺は宏光に甘えたいと思っているのだろうか。
試しに肩口に顔を埋めぐりぐりと押し付けてみる。
すると楽しそうに笑い出し、宥めるように二度ほど頭を撫でられ、温かな手はそのままゆるりと下に流れ背中に辿り着く。
まるでヨシヨシとあやすみたいに背中を摩り始めた。
「…勇吾だけだよ」
「え…？」
「俺がこうやって無条件に甘やかすの…勇吾が特別」
「……圭吾にも、か？」
「んはっ、俺が圭吾にこんな事してるの見た事ある？」
「……」
「…そういう事だよ」
勇吾だけ…
勇吾が特別…
宏光の深くて大きな愛情が俺の心までもを温かなもので包み込んでいく…
実の両親にだって、ここまで深い愛を注がれたことはなかった。
圭吾は昔から優秀で、甘え上手だったから、親にもたくさんの惜しみない愛情を注がれていて、俺はいつもそんな姿を一歩引いたところから眺めていた。
俺はお兄ちゃんなんだから、しっかりしないと…
甘えるのなんかみっともない…
ずっとそう思いながら生きてきた。
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絢音(プロフ) - みぃちゃんさん» あら、どなたかと思えば…！宏光くんの双子に対する溢れんばかりの愛情を感じ取ってもらえてとても嬉しく思います♪えへへ…私も、双子を幸せにしたい一心で連載やってますから…！みぃちゃん、いつもいつもありがとうね(*´艸`*) (2019年6月30日 22時) (
レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 大好きな宏光くんに誕生日を触れてもらえるのを今か今かとそわそわする双子は何とも愛らしいですね…！圭吾は宏光に恋愛感情は抱いていないけど、大好きで大好きで仕方ないんです(^^)ぎゅってして…って、躊躇いがちにおねだりする圭吾たんを私が抱きしめたくなります！ (2019年6月30日 22時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
みぃちゃん(プロフ) - 太ちゃん誕生日おめでとう♪双子ちゃんと宏光にはいつもほっこりさせて頂いてます(*^^*)勇吾に愛を伝える所、圭吾をぎゅっとしてあげる所にはホロっとしました(´；ω；｀)絢音ちゃんの二人に対する愛も感じがしました♪ここでは初コメ！少し緊張しました(￣▽￣;) (2019年6月26日 9時) (レス) id: 8286bf0fde (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - ♪ヽ(´▽｀)/こちらでもはっぴぃばーすでぃ(≧▽≦)圭吾のしてほことも聞いたげるシーンのそれぞれの表情に感動しちゃいました(´；ω；`)物凄く癒されております…( 〃▽〃)最初にふたりがソワソワしてるとこも可愛かったです(*/∀＼*) (2019年6月26日 6時) (レス) id: 38544530dd (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 可愛い生き物がベッドにいたら無条件に癒されますね！ふふ、小ちゃいのにおっきい…。そう、みっくんはおっきいのです！笑 (2019年6月25日 11時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絢音
| 作成日時：2019年5月26日 0時
