4 ページ30
「宏光…」
頬に手を添えると宏光は静かに目を閉じた。
宝物に触れるように大事に唇を重ねると、宏光は甘えるように舌を出してきた。
応えるように深く口付けると甘い吐息が漏れ始める。
かわいい…。
キスの合間に思わず口を滑らすと、宏光はカーッと顔を赤らめる。
あたふたしたように狼狽える様子に吸い付くようなキスを送ると、宏光は小さくはにかんだ。
「大好きだよ、勇吾」
「……」
「大好き…」
両頬を包まれて額にキスが落とされる。
自分には不相応なくらい大切にされていて、たまに…自分はずっと長い夢の中にいるんじゃないかと思うことがある。
目が覚めたら俺は…あの暗くて殺風景な部屋で拘束されたまま転がっているんじゃないかって…、あり得ないほどの幸せに包まれているからこそ、たまに言いようのない恐怖に支配されてしまうんだ。
「…なぁに?そんなに感動しちゃった?」
「…るせ」
「んふふ、かわいい。…泣かなくてもいいんだよ」
知られたくない…未だに馬鹿みたいに引き摺っている弱い俺を、宏光には知られたくない。
好きな奴の前ではいつだって強くてかっこいい自分でいたいから。
意図せずに滲み出した涙を乱暴に拭って宏光を強い力で抱きしめる。
「そろそろご飯にしよっか」
空気を変えようとしてくれているのか宏光は明るいトーンで切り出した。
飯なんかいらないからこうしていつまでも抱きしめていたい。
そんな俺の思考など御構い無しに鳴り響いた腹の虫に宏光と目を見合わせ、クスクス笑いながらご飯にしようねと手を引かれた。
.
756人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
絢音(プロフ) - みぃちゃんさん» あら、どなたかと思えば…!宏光くんの双子に対する溢れんばかりの愛情を感じ取ってもらえてとても嬉しく思います♪えへへ…私も、双子を幸せにしたい一心で連載やってますから…!みぃちゃん、いつもいつもありがとうね(*´艸`*) (2019年6月30日 22時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 大好きな宏光くんに誕生日を触れてもらえるのを今か今かとそわそわする双子は何とも愛らしいですね…!圭吾は宏光に恋愛感情は抱いていないけど、大好きで大好きで仕方ないんです(^^)ぎゅってして…って、躊躇いがちにおねだりする圭吾たんを私が抱きしめたくなります! (2019年6月30日 22時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
みぃちゃん(プロフ) - 太ちゃん誕生日おめでとう♪双子ちゃんと宏光にはいつもほっこりさせて頂いてます(*^^*)勇吾に愛を伝える所、圭吾をぎゅっとしてあげる所にはホロっとしました(´;ω;`)絢音ちゃんの二人に対する愛も感じがしました♪ここでは初コメ!少し緊張しました( ̄▽ ̄;) (2019年6月26日 9時) (レス) id: 8286bf0fde (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - ♪ヽ(´▽`)/こちらでもはっぴぃばーすでぃ(≧▽≦)圭吾のしてほことも聞いたげるシーンのそれぞれの表情に感動しちゃいました(´;ω;`)物凄く癒されております…( 〃▽〃)最初にふたりがソワソワしてるとこも可愛かったです(*/∀\*) (2019年6月26日 6時) (レス) id: 38544530dd (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 可愛い生き物がベッドにいたら無条件に癒されますね!ふふ、小ちゃいのにおっきい…。そう、みっくんはおっきいのです!笑 (2019年6月25日 11時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:絢音 | 作成日時:2019年5月26日 0時