3 ページ36
食欲は無いらしく食べたくないという太輔に無理に小さいヨーグルトのカップを食べさせて、先に風呂に入らせた。
きちんと髪を乾かして顔を真っ赤にした状態で出てきた太輔を抱きしめてソファーに座らせた。
「身体、どこが痛い？」
「……ひだり」
「腕と足だよな？」
「ん…」
「湿布貼っとこうな」
救急箱を取り出して湿布を何枚か出して、痛む箇所を探るため腕から慎重に触れていった。
「痛いとこ教えて」
「……っ…あ、そこ…」
「ん、りょーかい」
「…い、痛っ…」
「え、こっちも？」
左腕は肘から手首にかけて全体が痛むらしく、隙間無く3枚貼り付けて、剥がれないように上から医療用テープで固定した。
左足も同様で広範囲にかけて鈍い痛みがあるらしく、湿布を丁寧に貼っていった。
「……なんか、すごいことになっちゃったね」
自分の姿を見て力なく笑う様子に、頭にポンと手を置いた。
「それだけ頑張ったってことだろ？俺はそんなお前を誇りに思うよ」
「…っ…きたやま」
「だから…、もうそんなに落ち込むなって」
不安そうに見返してくる目をジッと見つめると、やがて少しだけ笑って、そうだよね…って納得してくれた。
額に手を当てるとじんわりと温かく、それが風呂上がりからなのか微熱によるものなのか判断が付かないが、表情から後者なんだろうなと伝わってきた。
「辛いか？」
「…ぅん」
「ベッド行こう、もう寝た方がいい」
「ん…」
フラつく身体を支えながらベッドに寝かせ、自分はサッとシャワーを済ませて念の為水を持って戻った。
目を閉じてぐったりとしているから眠れているのかと思ったが、近くに行くと目を開けて俺を見上げた。
「起きてたか」
「ん…」
「…眠れない？」
「……みっくん」
「っ、…ん？…どした？」
みっくん。
その呼び方に、どれだけ不安な気持ちでいっぱいかを察して優しく顔を近づけた。
目をうるうるさせて俺に向けて両腕を伸ばしてくる。
隣に入って優しく抱きしめれば遠慮がちに泣き出してしまった。
「ふ…ぅっ…っ……いたい…」
「うん…」
「どうしよ…っ…、こんなんじゃ……おれ…っ……」
LIVE前日にこんなに不調になるのは初めてだろうから、言いようのない不安がどうしたって抜けないのだろう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 580人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
絢音(プロフ) - はっちみつさん» はっちみつさん、初めまして♪作者の北藤を愛でて下さりありがとうございます(^^)こちら現在連載中の「俺とお前のHUGKISS」へと続いておりますので、よければそちらもぜひ遊びにきて下さると嬉しいです♪今後も北藤は強く推していきたいと思います！ (2019年7月29日 0時) (
レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
はっちみつ(プロフ) - はじめまして。こんなに素敵な北藤に出会えて感激してます。漢みっくんと可愛いたいPを今後も楽しみにしてます！ (2019年7月28日 22時) (レス) id: 4caade0e16 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - さくらさん» さくらさん、初めまして♪日頃よりリピートして頂いているようで嬉しいです♪北藤はまだまだマイナーのようですが、北藤ちゃんの可愛さがもっと浸透すればいいのにと思う今日この頃です(^^)かわいい太輔さん、お届けできるよう頑張ります♪ (2019年7月26日 14時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - めぐさん» めぐさん、初めまして♪北藤の沼もハマってしまえば底無しなので、これからも細々と普及活動を行いつつ北藤ちゃんを愛でていきたいと思います！移行先でもまたお願いします(^^) (2019年7月26日 14時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - はじめまして。この作品の北藤が好きすぎて、いつも更新を楽しみに見させて頂いています(´-`)他の作品も何度も読み返してしまうほど好きです。私は北藤が好きなのですが、あまり北藤の小説を見つけないので嬉しいです！これからもかわいい藤ヶ谷くん楽しみにしてます！ (2019年7月20日 23時) (レス) id: 3c1a22a277 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：絢音
| 作成日時：2019年6月15日 17時
