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「あー、全然だめだー」
「まぁ週末だもんなー」
先程から藤ヶ谷が通りでタクシーを拾おうと試みるも、どれも乗車していたり予約車だったりでなかなか空車がやってこない。
やがて肩を落としながらトボトボと隣に戻ってきて、どうするか聞いてきた。
「電話して呼ぶ？
それとも近くの駅まで歩いてそっから乗る？」
「あー…、ここに突っ立ってても邪魔になるだろうから歩くか。酔い覚ましにもなるし」
「酔ってるの？大丈夫？」
「お前だよ」
「え、おれ酔ってないけど」
ほんのり頬を染めて、喋り方もゆっくりでふわふわしている。
自覚がないのは少し心配だけど、烏龍茶で多少はアルコール薄まっただろうから最寄り駅まで歩くくらいなら平気だろう。
「でもきたやまほんとお酒強いよね」
「んー、前よりはこれでも呑めなくなってきてるよ」
「そうなの？」
「歳には勝てないからなぁー」
「こーんなに童顔なのにね」
「うっせ」
肩を並べて歩きながら、人目を気にして少し小さめの声で目立たないように、ゆっくりペースで歩く。
都会は駅間が短いから数駅くらいなら徒歩圏内で移動できるのは利点でもあるけれど、今はその距離が酷くもどかしく感じる。
もう少し…この時間を長く楽しんでいたい、なんて
やっぱりタクシーを店前まで呼んでその場で待っていた方が少しは長い時間いられたのではないかと早くも後悔が募っていく。
それはこの時間が、藤ヶ谷と二人きりで酒を交わしたこの時間が、思いの外心地良かったから…。
次の機会はいつになる事やらと思うからこそ余計に、なんだか無性に離れがたい。
「ねぇ、さすがにもうお酒買うとき年齢確認されない？」
「それは馬鹿にしすぎ。見ろこの大人の色気をっ」
「えー？大人の色気ー？かわいいだけじゃん」
「なっ、か…っ、かわいいって何だよっ」
「ふふーん、照れてる。顔赤いよ」
「っ…、酔いが回ってんだよ！」
玉ちゃんや千賀辺りは事ある毎に俺をかわいいと言うからもう慣れてしまったけれど、こいつから発せられるかわいいにはなかなか耐性が付かない。
デビュー前はよく、きたーまはかわいいっ、ぎゅーするとちょうどいい感じに収まって気持ちいい、なんてネタにされていた事もあったけど。
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絢音(プロフ) - みーちゃんさん» ヒ…！このタイミングで初作へのコメントは恥ずかしすぎるけども嬉しい！このタクシードライバーになりたいですね！居酒屋の店員さんでも良きですね！何が言いたいかというと藤北の時間軸に一瞬でいいから入り込みたいですね(*ﾟ▽ﾟ*) (2019年10月27日 11時) (
レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
みーちゃん(プロフ) - タクシードライバーになって、ルームミラーごしに仲良くスマホを覗き込む2人の姿を見る人生は、どこに行けば送れるでしょうか？(笑)帰ったら早速、某雑誌を読み返そう♪やっぱり時折かわいい太ちゃん、時折かっこいいみったんが大好きだ！ (2019年10月22日 18時) (レス) id: 8286bf0fde (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - 美結さん» 美結さん、こんにちは♪ほんとにね…あの言葉を取材で北山さんが一体どんな顔して言ったのだろうと思うと頭抱えたくなりますね♪美結さんの好む雰囲気…、嬉しいです(^^)次回作もね、前向きに検討しています♪ (2019年2月26日 13時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - mi-chanさん» mi-chanさん、初めまして♪淡い藤北…表現が好きです！微甘でしたが、読後ほっこりするような作品に仕上げたいと思いながら書いたのでとても嬉しいです！雑誌…究極レベルで悩んでいるのなら買いです(*ﾟ▽ﾟ*)♪ (2019年2月26日 13時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - かなさん» かなさん、初めまして♪某雑誌ネタ、すでに溢れているかなと思ったら案外そうでもなく、シレっと立ち上げてしまいました（笑）両片想いももどかしい感じが藤北…って感じで好きです。また読みたいと言って下さり嬉しいです！前向きに検討しています(^^) (2019年2月26日 12時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絢音
| 作成日時：2019年2月23日 20時
