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個室に通されてまずは酒を選んで注文し、待っている間に料理を選ぶ。
藤ヶ谷はタクシーの中であらかた目星をつけてきたようで、メニューを俺の方へ向けてくれた。
「藤ヶ谷は何にすんの？」
「お刺身五種盛り」
「有言実行ですね〜」
「寒ブリ入ってるって！美味しそう」
「俺はそーだなー、串焼きとハラミのねぎ塩かなー。後は枝豆と…」
「あ、シーザーサラダ食べたい。シェアしよ？」
「おー。あ、だし巻き食う？」
「うん」
「好きだもんなーお前。とりあえずこんなとこか…」
注文が決まったところで乾杯の酒が届き、店員さんに今決めたものを伝えたところでグラスを持って向き合った。
「んじゃー、……乾杯？」
「あはっ、何で疑問形？乾杯〜」
藤ヶ谷は陽気にグラスを合わせてきて、カン…と小気味よい音が鳴った。
ほんの僅かにグラスの位置を下げているのは年齢の事を考えているのか全くの無意識か…、恐らくは後者だろう。
そういう事を無意識にしてしまえる才能は小さい頃から芸能界という特殊な世界で生きてきた、藤ヶ谷なりの処世術なのかもしれない。
だからあえて聞いてみたことはなく、気づかないふりをしている。
始めの一杯…二杯…三杯くらいは極々普通に、仕事の事とかプライベートの近況なんかをポツポツと語りつつ、それぞれの目当てである肉と魚に舌鼓を打っていた。
五杯目に差し掛かった頃、藤ヶ谷の目がとろんとしてきて口調も表情もグッと柔らかなものに変わった。
「きたやま」
「んー？」
「お刺身もおいしいから食べてよ」
「じゃーマグロ貰っていい？」
「寒ブリもおいしいよ」
「それはお前お気に入りなんだから食べちゃいなよ」
「おいしいから、きたやまにも食べさせてあげたいの」
メディアではかなりセーブしている分、裏での藤ヶ谷は俺に対して甘い。
最近は何だかその甘さが少しずつメディアにも露出しているような気がして、たまにあれこれ大丈夫なのかと思ったりもするけれど、俺自身満更でもなくて今はそのタイミングなんだろうと素直に甘さを受け入れている。
そしてプライベートでこうやって会う藤ヶ谷は、まぁ…こんな感じで優しさが増す。
俺らみんなメンバーの事が好きだから、藤ヶ谷にも好かれている事は分かっている。
でも藤ヶ谷は愛情表現がとにかく上手くて、ストレートに伝えてくれるからたまに本気で照れたりする。
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絢音(プロフ) - みーちゃんさん» ヒ…！このタイミングで初作へのコメントは恥ずかしすぎるけども嬉しい！このタクシードライバーになりたいですね！居酒屋の店員さんでも良きですね！何が言いたいかというと藤北の時間軸に一瞬でいいから入り込みたいですね(*ﾟ▽ﾟ*) (2019年10月27日 11時) (
レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
みーちゃん(プロフ) - タクシードライバーになって、ルームミラーごしに仲良くスマホを覗き込む2人の姿を見る人生は、どこに行けば送れるでしょうか？(笑)帰ったら早速、某雑誌を読み返そう♪やっぱり時折かわいい太ちゃん、時折かっこいいみったんが大好きだ！ (2019年10月22日 18時) (レス) id: 8286bf0fde (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - 美結さん» 美結さん、こんにちは♪ほんとにね…あの言葉を取材で北山さんが一体どんな顔して言ったのだろうと思うと頭抱えたくなりますね♪美結さんの好む雰囲気…、嬉しいです(^^)次回作もね、前向きに検討しています♪ (2019年2月26日 13時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - mi-chanさん» mi-chanさん、初めまして♪淡い藤北…表現が好きです！微甘でしたが、読後ほっこりするような作品に仕上げたいと思いながら書いたのでとても嬉しいです！雑誌…究極レベルで悩んでいるのなら買いです(*ﾟ▽ﾟ*)♪ (2019年2月26日 13時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - かなさん» かなさん、初めまして♪某雑誌ネタ、すでに溢れているかなと思ったら案外そうでもなく、シレっと立ち上げてしまいました（笑）両片想いももどかしい感じが藤北…って感じで好きです。また読みたいと言って下さり嬉しいです！前向きに検討しています(^^) (2019年2月26日 12時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絢音
| 作成日時：2019年2月23日 20時
